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第四節 守りを固めて待つ。

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何も、攻めることだけが戦いではありません。

わざわざ、よくわかっていない敵の陣地に攻め込むのは、不利な状況に自ら飛び込んでいくようなものと言えます。

兵士は傷つけられ、余計に体力は奪われてしまいます。

病気も同じではないでしょうか。

体に負担のかかる治療で、病気を治そうと攻めれば攻めるほど、体は傷つき体力を消耗し、どんどん勝てる可能性は少なくなっていきます。

自分の陣地で守りを固めて、攻めてくる敵を自身に有利な状況で迎え撃つ方が効率的であり、勝てる可能性も高くなります。

まずは、自分の守りを固めて、敵を倒せるだけの力を蓄えることが大事と言えます。

敵を倒せるだけの力が無ければ、結局は何度戦っても勝つ事はできないのではないでしょうか。

そもそも、自分の戦力が弱ったことで敵に攻め込まれているのであり、戦力差から言って圧倒的に不利な状況です。

病気であると発覚した時点で、病気に対して負け越している状態からのスタートとも言えます。

そんな戦力が弱い状態では、戦っても負けるし、戦わなくても負ける。

病気に勝てるかどうかは、治療次第というよりも、本人の生命力次第であるとも言えます。

このような状況をひっくり返そうと思うのであれば、自分の戦力を敵よりも上げることが効率的な方法なのではないでしょうか。

勝つために戦力の増強を図る必要性があります。

例えば、攻撃を止めて、兵士の体力を温存する…。

弱い兵士を鍛え上げ、強くする、兵の数を増やす…など。

つまり、体に負担のかかる治療は避け、生活習慣の改善によって、病気を倒せるだけの生命力を取り戻すということになります。

しかし、攻撃を止めている間にも敵は攻めてくるが、それはどうするのか…。

敵を攻撃することによって、敵の勢力を止めることもできますが、守りを固めることで、敵の勢を止めることもできます。

防御に徹することで、大きなダメージを敵に与えることはできませんが、その代わりに、敵の勢いを抑えることもできます。

つまり、病気の進行を穏やかにできる可能性も出てきます。

もし、敵と同じレベルの戦力にまで生命力が回復すれば、病気の進行は止まります。

そして、ほんの少しでも自身の生命力が病気の力よりも勝ることができれば、あとは時間の問題とも言えます。

ゆっくり時間をかけて治していけば、最終的に勝利を収めることができる可能性は高くなります。

つまり、守りを固めて待つというのは、病気を抑え込めることのできる体の状態を作りながら、病気の方が崩れ落ちていくのを待つということになります。

そして、本戦略においては、病気が再発する可能性も低くなります。

なぜなら、すでに病気を抑え込むことのできる力を自分自身が持っているからです。

では、この作戦に、何のデメリットも無いのでしょうか。




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