病気の原因の一つは体内の異物であり、その異物を日々除去する免疫システムによって、病気にならずに健康な状態を維持することができていると言えます。
病気になるかならないかは、免疫に大きく依存しているとも言えるわけですが、その免疫システム自体が正常に機能しないことによっても病気は発生することがあります。
システムが正常に機能しないわけであるので、当然、異常な状態(病気)が出てきます。
アトピーや花粉症などのアレルギーがこのような病気に該当すると言えます。
昔は特別な病気でしたが、現在では何らかのアレルギー症状をもつ人は、非常に増えています。
アレルギーは免疫の過剰反応と言われることがありますが、この現象を説明するのにTh1/Th2バランスという言葉が使われています。
免疫とは複雑なシステムの総称と言えますが、アレルギーというものを考える時には、大きく2つの免疫に分類することができます。
それが、Th1(細胞性免疫)とTh2(液性免疫)です。
この分類を覚える必要はなく、アレルギーというものが、2つの免疫のバランスによって成り立っているということが重要なことです。
まるでシーソーのように、片方が強くなれば片方は弱くなる。
お互いに影響を及ぼし調整しているような関係にあります。
アレルギーの過剰反応とは、免疫系全体が過剰に反応しているというわけではなく、Th2が過剰に反応しているとも考えられています。
ただ、過剰に反応しているというよりも、Th1/Th2バランスが崩れることでTh2が優位な状態(Th1 < Th2)となっているのが、アレルギー患者の免疫状態と言えます。
世の中には、アレルギー(Th1 < Th2)になる人もいますが、そうでない人もいます。
しかし、人間は誰もがTh1 < Th2(Th2優位)の状態で生まれてきます。
つまり、人間は誰もが、アレルギー体質(Th1 < Th2)として生まれてくると言えます。
赤ちゃんは、Th1が弱い状態で生まれることになるわけですが、これには母体(赤ちゃんにとっては異物)を攻撃しないように、あえてTh1を弱めているという理由も考えられています(1)。
では、なぜ誰もがアレルギー体質で生まれてくるのに、アレルギーにならない人がいるのでしょうか。
それは、赤ちゃんのTh2優位(Th1 < Th2)の状態が、成長するとともに正常なバランス状態に戻るからとも言えます。
バランスが正常に戻るためには、弱いTh1が強くなる必要があります。
Th1は、自然界の病原体(ウィルスや細菌など)に接触することによって、活性化されて自然に強くなっていきます。
それによって、自然にTh1/Th2バランスは正常な状態へと戻っていきます。
生まれたての赤ちゃんの状態では、知能も体も未完成な状態ですが、実は免疫システムそのものも未完成な状態です。
人間のカラダは、自然の中に生れ落ち、病原体の多い自然環境によって免疫機能が完全な状態になるように計算されて生まれてくるとも言えます。
つまり、病原体の多い自然の中で生活することで、人間の免疫システムは完全なものになるのではないでしょうか。
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine - / Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.
目次( p. 1 - 158 )
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まえがき
p. 1 -
医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す。
p. 4 - 5 -
なぜ、薬が病気を治すと信じる世界になったのか?
p. 6 - 8 -
今、本来の概念に戻す時が来ている。
p. 9 - 11 -
病気を治せる薬は存在しない。
p. 13 - 15 -
薬を飲み続けても病気は治らない。
p. 16 - 17 -
病気が治るのを薬が邪魔することもある。
p. 18 - 20 -
薬は様々なリスクを伴う。
p. 21 - 23 -
現代医療の本質とは何か?
p. 25 - 27 -
現代医療の真意は、病気を止めること。
p. 28 - 29 -
現代医療とは、あくまでも病気を治すサポート。
p. 30 - 31 -
カラダをいじればいじるほど問題が起きる。
p. 33 - 35 -
あと、どれだけの薬を作り続けなければならないのか?
p. 36 - 38 -
医療が発展しないジレンマ。
p. 39 - 41 -
病気とは、異物。
p. 44 - 47 -
病気とは、体内システムの異常。
p. 48 - 50 -
病気とは、体の許容オーバー。
p. 51 - 52 -
なぜ、人は病気になるのか?
p. 53 - 54 -
問題の本質を解決するということ。
p. 56 - 57 -
自然界の状態に戻すということ。
p. 58 - 60 -
当たり前のことをするということ。
p. 61 - 63 -
世界最高のテクノロジーとは何か?
p. 65 - 67 -
人のもつ力が未来の医療を変える。
p. 68 - 70 -
未来のテクノロジーとは、概念そのもの。
p. 71 - 74 -
はじめに
p. 77 -
データを根拠にしない理由
p. 78 - 80 -
運動 ― 動物は、動くもの。
p. 81 - 84 -
食事 ― 命そのものを食べる。
p. 85 - 93 -
睡眠 ― 危険が無いから眠れる。
p. 94 - 100 -
自然環境 ― 過酷な環境が生命を強くする。
p. 101 - 103 -
病気になる最大の理由
p. 105 - 107 -
ストレスとは何か?
p. 108 - 112 -
ストレスと、どう向き合うべきか?
p. 113 - 132 -
はじめに【重要】
p. 135 -
第一節 いかにして戦わずに勝つか。
p. 136 -
第二節 勝つ意思のある者が勝つ。
p. 137 - 138 -
第三節 強い相手だと思ったら、戦わない。
p. 139 - 140 -
第四節 守りを固めて待つ。
p. 141 - 142 -
第五節 病気になった理由を考える。
p. 143 - 145 -
第六節 肩の力を抜いて、気楽に。
p. 146 -
第七節 治療をする場合は、一瞬で。
p. 147 -
第八節 ほんの少しの治療で止める。
p. 148 -
第九節 病気に止めを刺さない。
p. 149 -
第十節 病気と仲間になる。
p. 150 -
第十一節 治療をするか迷ったら。
p. 151 - 154 -
自分の病気を治すための最善の方法
p. 156 -
さいごに
p. 157 - 158
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