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データを根拠にしない理由

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健康の条件に関して考えていく場合、様々なデータを引用して述べることにより、説得力があり、かつ読者を納得させるような文章を記述することもできます。

しかし、ここでは、あえてそのような記述の仕方は行いません。

物事の説明をするためにデータを用いることはあっても、良いデータが出ているから、こうした方が良いという様な話はしないということです。

例えば、○○は健康に良いデータがあるから食べた方がいいとか、××は健康によくないデータがあるからしない方がいいなど…。

このように、データを用いない理由として、以下のようなものが挙げられます。

時代とともに良いと言われることは常に変化します。

最近まで良いと信じられていたことが、新しい研究成果が出ることによって、逆に良くない、というように言われることもあります。

過去の情報は間違っており、最新の研究では○○が正しい、というように言われたりもします。

時代とともに物事の良し悪しというものがころころと変わり、情報に振り回されてしまったという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

健康に良いと信じて自身のライフスタイルに取り入れていたのに、健康に良いことではなかったというようなことは、よくあることであるとも言えます。

なぜ、私たちは、データというものに振り回されてしまうのでしょうか。

データというものがあるだけで、科学的根拠があり間違いのないものである、という第一印象をもってはいないでしょうか。

さらに、そのデータが、権威のある人や団体から発表され、周りの人たちからも正しいと言われていた場合、さらに信じてしまうのではないでしょうか。

人間は、余計な思考をすることを拒む生き物であるとも言えます。

自分自身で調べたり考えることが、大変で、めんどうくさいことだから、他人が考えた信憑性の高い説を是としてしまう傾向があります。

自分ではよくわからないから、みんなが正しいと思うものに従ってしまいます。

自分で考えずに他者に従っていた方が楽であるとも言えます。

例えば、自分の専門外である政治の話や、医療の話などはそうではないでしょうか。

しかし、他人が導き出した結論が常に正しいわけではないということは、歴史が証明しているのではないでしょうか。

日常の中においても、友人や家族が言っていることが間違っているということはよくあることです。

これは、同じ人間である科学者も例外ではありません。




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