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医療が発展しないジレンマ。

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化学薬品の登場によって、これからは全ての病気を人間の手で治すことができると人類は考えるようになり、発展し続けてきたのが現代医療であるとも言えます。

しかし、すべての病気を治すことはできずに、大きな壁にぶつかっているのが現状でもあり、未だに治すことが非常に難しい病気というのは今でも多く存在しています。

医療の発展の歴史は、「治せなかった病気を治すことができる」ということを証明しましたが、その一方で、「人間の手によって、すべての病気を治すことができない」ということを、逆に証明してきたとも言えます。

壁にぶつかっているのは、人間のカラダがまだ完全に理解できていないからであり、より深い知識を得ることができれば、治せない病気を治せる方法を見つけることができる可能性もあります。

では、人間のカラダを完全に理解できる日は、いつ来るのでしょうか。

百年後か二百年後か、それとも、もっと遠い先の未来なのか…。

すべての病気を治せるわけではないということを証明した現状の医療概念のまま、治せない病気を治せる日が来るのを待つのも、一つの解決策であると言えます。

しかし、解決策は、それだけではないはずです。

確かに人間のカラダは、よくわかっていないのが現状ですが、それでも、人間のカラダが病気を治す、ということは確実に分かっています。

現代医療は、「人間のカラダが病気を治す」という従来の概念を捨てて、「人間の手で病気を治す」という新しい概念に切り替えて発展してきたものであり、それによって今まさに大きな壁にぶつかっています。

ということは、本来の概念に戻すことによって、現状を打破することができる可能性も十分に秘められています。

現状の方針のまま突き進み、望む医療が誕生するのを待つのも一つの解決策ですが、大きな方向転換をすることも一つの解決策なのかもしれません。

先にも述べたように、時間に猶予があれば、新しい医療が誕生するのを待つこともできますが、今現在大きな病気になっている人は待ってはいられません。

多くの人々は、医療の革新的な変化を望んでいるのではないでしょうか。

古い概念に戻すということは、医療が後退するようなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、そうはなりません。

昔と今では、蓄積した知識も技術もレベルが違います。

古い概念に戻すと言っても、これまで蓄積した知識や技術を捨てるということではありません。

人類が手にしてきたテクノロジーをどのように使うのか、その根幹となる方針を変えれば、また違うカタチで医療は発展していくのではないでしょうか。

問題なのは、人類に深く根付いてしまった今の医療の概念を、今とは真逆とも言える本来の概念に戻すことができるのか、ということであり、これは非常に困難な問題です。

人は簡単には変わらないとも言われますが、頭の中に深く根付いてしまったアイデア(考え)を変えることは、とても難しいことです。

概念を変えれば、大きな発展を遂げることができるかもしれないが、簡単に変えることはできない。

まさに、医療が革新的な発展をしないジレンマとも言えます。




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