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第五節 病気になった理由を考える。

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敵がどういう相手なのかを知り、自身の状況を知ると、戦いに負けにくくなる。

敵の力量も知らずに戦いを挑めば、勝つかどうかは五分五分。

多くの場合、負けることの方が多いかもしれません。

しかし、相手の弱点や、自分の何を強化すれば勝てるのかを考えれば、負ける確率は格段に低くなるのではないでしょうか。

治すのが難しい病気を大別するとすれば、以下の2つになります。

治すことが難しい理由が、①はっきりとわかっているもの、②よくわからないもの。

治すことが難しい理由が、はっきりとわかっているものというのは、例えば、手や足を切断してしまった場合。

人間の体は、失った手や足を再生することまではできない、ということは、はっきりとわかっているため、このような問題を解決することはできない(治せない)とも言えます。

人工的に作った義足などで補うことはできても、完全に元通りにすることまではできません。

また、先天性の病気も、治すのが難しい理由が、はっきりしている病気の例と言えます。

生まれつき病気を生じる身体的特徴をもっている場合も、治すことが難しくなります。

逆に、生まれつきではなくても、後天的に体に障害を持ってしまった場合も同様です。

例えば、事故などにより脳内にダメージが生じてしまえば、神経伝達が上手くいかずに、体の一部が麻痺した状態のままになってしまうこともあります。

それから、寿命も、治すことが難しい問題の一つと言えます。

人間は永遠に生きることはできないため、高齢になればなるほど治すことが難しくなるということは、はっきりとわかっていることではないでしょうか。

このような、治すことが難しい理由が明確にわかっている病気の場合というのは、その病気(問題)をどうしても受け入れて生きていかなければならないこともあると言えます。

ただし、健康的な生活習慣を続けることによって、精神的・肉体的状況を改善できる可能性もあるため、絶望的な状況であっても、あきらめないことは大切なことです。

そうは言っても、「どうせ治らないのではないか」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、現状の人類の知識レベルでは、今後状況が現状よりも良くなる可能性を完全に否定することもできません。

人間のカラダの仕組みを102%理解できていないということは、状況が改善しない、と言い切ることができないということでもあります。

治すことが難しい理由が、はっきりとわかっていたとしても、最後まであきらめずに希望をもって生きていくということは決して綺麗ごとではなく、その方が、患者にとってプラスになる可能性があるからこそ、医師は患者に、そのことを伝えようとしているとも言えます。

人類は、まだ人間のカラダの可能性を全て理解できていないからこそ、大きな可能性が残っているのかもしれません。




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