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現代医療とは、あくまでも病気を治すサポート。

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薬や手術、その他の治療法によって病気の症状や進行が止まり、血液検査などの数値が良くなれば病気が治ったように思えます。

しかし、実際には病気を治したというわけではなく、病気を一時的に止めただけであるとも言えます。

では、なぜ病気を止めただけであるのに病気は治るのでしょうか。

病気を止めただけで治る病気というのは、病気を止めている間に体の自然治癒力によって病気を治すことができた病気であり、逆に治らず再発を続ける病気というのは、病気を止めている間に体が病気を治すことができなかった病気であると言えます。

病気になっている時点で、体は弱っていると言えますが、いつまでも弱ったままではなく、休養すれば時間とともに病気を抑え込み病気を治すことのできる力を取り戻し、回復していきます。

体が回復していくにつれて、徐々に病気は治り、元の健康な状態へと戻っていきます。

一方、時間が経っても体が回復しない場合もあります。

そのような場合は、病気を治すことのできる力を、体が取り戻すことができないため、なかなか病気が治らなかったり、何度も病気が再発したりするという事にもなります。

例えば、悪い生活習慣を長年送っていて、一時的ではなく慢性的に体が弱っていたことが原因で病気になった場合、治療によって病気を止めてあげたとしても、その後も生活習慣が変わらず、カラダが慢性的に弱った状態のままであるのなら、病気を治すのは非常に困難になります。

いずれにしても、「カラダが病気を治している」という基本概念は、病気が治るメカニズムの根幹を成しています。

カラダが病気を治すことができれば病気は治るし、治すことができなければ病気は治らないとも言えます。



現代医療とは、「病気を一時的に止め、体が病気を治すための猶予期間を与えるもの」と捉えることもできます。

治療法によって、その猶予期間が短期的なのか長期的なのかは異なります。

例えば、薬などの場合は短期的と言えます。

薬を飲んで、その薬の効果が切れるまでの間、病気を止めることができます。

薬を飲み続けることで猶予期間をどんどん伸ばすこともできるとも言えます。

一方、手術などの場合は、薬に比べれば長期的と言えます。

すぐに再発してしまう病気もありますが、比較的長期の間、病気を止めることができると言えます。

本来であれば、病気が止まっている間に、体が病気を治せるように休養をとったり、生活習慣を改善したりするなどして、病気を治せる強いカラダを取り戻さなければなりません。

病気を治す主体というのは、あくまでもカラダそのものであって、病気を止めるための現代医療は、そのサポートであるという事を理解しておかないと様々な問題にぶつかることにもなります。

病気が治らないからと言って、薬の量を変えたり、薬の種類を変えたとしても、根本的には、薬は病気を止めるためのものであるため、病気の止め方を変えたり、止め続けても状況は好転しない場合もあるとも言えます。

また、一時的に問題を回避するために手術をすることは必要なことですが、再発の度に手術をすることは、病気を先延ばしにするためのものであるため、結局は根本的解決にはならないとも言えます。

病気を止めることが体に対して何の悪影響も無いのであれば、何度でも薬を使ったり、手術をしたりすればよいと言えますが、実際にはそうもいきません。

むしろ、肉体的・精神的に大きなストレスを体に与えることになります。

薬の副作用で苦しんだり、手術によって体の一部が失われることによって、人によっては以前との生活とのギャップに苦しんだりすることにもなります。

現代医療は、病気という状況を一時的に回避するという目的で適度に使用すれば、病気を治すためのサポートになるとは言えますが、度が行き過ぎると、逆に病気が治るのを邪魔してしまう事にもなる諸刃の剣とも言えます。




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