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病気とは、異物。

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病気の数は、数万~数十万もあるとも言われています。

病気というものを、どう定義するかによっても変わりますが、たくさんの病気が世の中に存在するということは誰もがうなずけることではないでしょうか。

たくさんの病気が存在するということは、世界の膨大な人口を考慮すれば不思議なことではないとも言えます。

人によって、食べるものも、運動量も、睡眠時間も、ストレス状況も、特有の生活習慣や生活環境も、ありとあらゆる条件が違います。

人それぞれ、カラダの状態は異なってくるため、それに応じて病気の数も無数に存在するとも言えます。

しかし、現代人の多くの人がなる病気で、かつ死に至るような病気というのは、ある程度限定されます。

人類の多くの人は、同じような病気になっているのではないでしょうか。

死因になる病気をランキングした場合、どの国でも同じような病気がチャートにランクインしてくるとも言えます。

もちろん、国によってもランキングの順位は違うし、その国の発展状況や衛生状況などによってもランキングは異なってきます。

ただし、癌、心臓病、肺炎、脳血管疾患などは、現代人の死因として、よく聞く病気ではないでしょうか(1)

これらの病気は、病名が違うため、異なる病気であると思われますが、その原因の上流を辿れば、どの病気も、体内の「異物」という共通のものにたどり着くと言えます。

例えば、癌の場合であれば、異物とはガン細胞のことになります。

正常な細胞が、増殖し続けるという異常な状態に変化してしまったものです。

心臓病や脳血管疾患を引き起こすのは、血管を細くしたり、詰まらせたりする異物です。

血中の過剰なコレステロール(脂質)が血管の内膜に蓄積し酸化すると毒性を持つようになるため、異物として体に認識されるようになります。

異物であるため免疫細胞が除去するために集まってきますが、除去しきれないと、免疫細胞は、その場で死んでしまいます。

ちなみに、血管を詰まらせている血管内膜の粥状成分は、酸化したコレステロールと、免疫細胞の死骸と言われています(2)

肺炎の場合は、肺において炎症を引き起こすウィルスや細菌などの病原体が異物と言えます。

異物というのは、人間のカラダを構成する正常細胞以外のものであり、かつカラダにとって有益な影響を与える事の無いものとも言えます。

コレステロールは体に必要な栄養素ですが、必要以上に存在する場合は、害になるため異物として認識されます。

逆に、病原体であったとしても、腸内細菌のように、カラダに有益な状況をもたらすものに関しては異物とはみなされない場合もあります(3)

いずれにしても、体の中に何らかの異物が存在することによって、様々な病気の原因になっていくと言えます。

癌細胞も、血管を詰まらせる脂質も、体内に侵入する病原体も、人間が生きていく上で必ず体内に発生したり、存在したりしてしまうものです。

このような異物が体内に存在していたとしても、その数が少なければ問題にはなりません。

逆に、一定の量に到達すると問題(病気)になると言えます。

例えば、癌細胞が成長し大きくなれば周辺臓器を圧迫したり、肺の機能が阻害されることで呼吸がしにくくなったり、血管が詰まれば心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。

異物が存在することで死んでしまうというよりは、異物の存在によって呼吸ができなくなったり、心臓が動かなくなったり、主要臓器の機能停止によって、生命維持ができなくなった時に、人は死ぬと言えます。

癌、心臓病、肺炎、脳血管疾患などは、生命維持を脅かす状況に陥りやすいため、必然的に死因の上位にきているのではないでしょうか。




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