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さいごに

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全体を通して、文章の中で、「これは、こうだ」というような断言する言葉をできるだけ控えています。

これは、人間の体については不明な点もまだ多く、人類は全てを理解しているわけではないので、そもそも断言することができないからと言えます。

同時に、断言することで考え方を固定してしまうと、その他の可能性を捨ててしまう事にもなります。

人間は、自分で考えたり作ったりしたものを、間違っていない最高のものである、というように過大評価してしまう傾向があります。

例え、自分の思い通りの結果を出せたとしても、謎をすべて解いたと思うのではなく、まだわからないことも多いのではないか、と思うような冷静で謙虚な姿勢が大切とも言えます。

そうしなければ、本当は間違ったまま進んでいることに気づかず、大きな失敗を犯すという将来リスクを背負うことにもなるからです。



あえて考え方を固定しなかったのには、もう一つ理由があります。

それは、自分自身で考えてもらいたい、ということです。

なぜなら、自分の力で考え、自分自身の考え方にたどり着かなければ意味が無いからです。

ただ知識を頭に入れただけでは、人間は何も変わらないとも言えます。

新しい知識を手に入れることで、自分は変われる、自分の生活が豊かに便利に、自分の人生はより良くなる、と思っているだけで終わってしまいます。

変化を起こすためには行動が必要ですが、行動を起こすためには、思考を重ねてたどり着いた自分自身のオリジナル(独自)の考え方が必要になります。

他人の考えのままでは、自身を動かすことは難しいとも言えます。

自分を本当に動かすことができるのは、自分の考えだけではないでしょうか。

自分が正しいと思う自分の考えがあるからこそ行動することができるし、多様な場面においてもマニュアル通りではない柔軟な対応ができるようにもなります。

他人から与えられる知識は、自分を直接変えるものではなく、自分のオリジナルの考え(答え)を見つけるための一つの材料に過ぎません。

だからこそ、「自分の病気を治すための最善の方法」というのは、自分自身でたどり着くべきものなのではないでしょうか。

自分にとっての最善の方法というのは、まだ何も決まっていない白紙のような状態です。

自分で深く考え、自由に思い描くことが可能です。

最終的に本書を完成させるのは読者自身であるとも言えます。




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