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第三節 強い相手だと思ったら、戦わない。

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もし、自分では勝つ事ができない、と思った敵が現れたら、どうするでしょうか。

もし戦えば、無傷では済まず、死んでしまうかもしれないとしたら…。

例えば、森で熊に遭遇したら…。

普通は、戦わないで助かる方法を考えるのではないでしょうか。

しかし、大きな病気になった時に、多くの人は病気(敵)と戦う(治療する)ことを選択してはいないでしょうか。

現代医療において、治すのが難しい病気の場合は、大きな手術をしたり、副作用の大きな薬を飲んだりしながら治療をすることは少なくありません。

大きな病気と戦えば無傷では済まないし、つらく苦しい思いに耐えなければならないこともあります。

今の人類の知識レベルでは、治すことが困難な病気に対しての対処法は、このようなことが現状である場合もあります。

そして、頑張って治療に耐え続けたとしても、患者の努力は報われず、願いも叶わずに死んでしまう事も少なくはありません。

それでも、多くの人は戦い(治療)に挑もうとします。

それは、病気(敵)から逃げて、戦い(治療)をしなければ、死んでしまうと考えているからとも言えます。

戦わなければ死ぬし、戦っても死ぬ可能性は高い。

戦って少しでも勝つ可能性が残っているのであれば、傷ついてボロボロになろうとも、戦う方がいい…。

本当に、そうなのでしょうか。

もし戦わなかった場合に、勝つ可能性というのは、ゼロ・パーセントと断言できるのでしょうか。

戦って勝つ可能性にばかりフォーカスし、戦わなくて勝つという可能性を、初めから自分で捨ててしまってはいないでしょうか。

もし、戦うことが正しいとして、体に負担の大きな治療でボロボロになっている患者は、本当に病気というものと戦っているのでしょうか。

何度も何度も治療を繰り返しても、病気が再発を繰り返してしまうことは少なくありません。

いくら戦って敵(病気)を倒したとしても、何度も敵はよみがえってくる。

敵を攻撃(治療)することに疲れ、体力は奪われ、身も心もヘトヘトになっている。

目の前の敵を何とか倒そうとしているはずなのに、全く倒せない、という状況に陥ることもあります。

もしかしたら、倒そうとする敵自体を間違えていることもあるのかもしれません。

もし、あなたが頑張って倒した敵を何度もよみがえらせている黒幕がいるのだとしたら、その黒幕を倒さない限り、戦いに勝つ事はできないとも言えます。

では、その黒幕とは、一体何でしょうか。




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