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病気を治せる薬は存在しない。

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「薬とは何か」という問いかけに、あなたは何と答えるでしょうか。

多くの人は、「薬とは病気を治すためのもの」であると答えるのではないでしょうか。

特に誰かに教えられるわけでもなく、人々の共通認識(常識)として、なんとなく誰もが、そのように思っているのではないでしょうか。

しかし、患者に薬が処方される際、医師は病気を治すために薬を処方しているわけではありません。

患者が病気を治すのを、サポートするためのものとして薬を処方しています。

一見、結局どちらも病気を治すためであると思いがちですが、患者と医師の薬に対する認識には大きな違いがあります。

もし、医師に、薬とは何かという質問をした場合、「薬とは病気を止めるためのもの」と答えるかもしれません。

薬をより正確に表現するのであれば、「病気のつらい症状を緩和し、病気の進行を一時的に止めるためのもの」とも言えます。

患者は、病気というものを、何によって認識しているでしょうか。

病気の、つらい・苦しい・痛い…などといった諸症状によって、自分は病気であると認識しています。

カラダの起こす諸症状には、体のどの部位が今まさに危険な状態にあるのかを、自分自身に知らせるための役割もあります。

そんな諸症状が薬を飲むことによって止まれば、患者は、まるで病気がすっかり治ったかのように思います。

実際には、病気が治っているのではなく、薬の力によって諸症状や病気の進行を強制的に止めているだけに過ぎません。

例えば、風邪を引いた時に、熱、鼻水、咳き、のどの痛みなど様々な諸症状が起きます。

薬で諸症状が止まることで、患者は風邪が良くなったと錯覚します。

病気そのものを治しているわけではありませんが、諸症状を止めている間に、カラダのもつ自然治癒力によって自然に病気は治っていきます。

では、薬はどうやって病気の諸症状や、進行を止めているのでしょうか。




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