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病気を治せる薬は存在しない。

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世の中には様々なタイプの薬が存在しますが、作用メカニズムの基本概念はどれも同じと言えます。

簡単に表現するのであれば、諸症状や病気が進行する反応経路の一部を「阻害」することで効果を発揮しています。

これを、おとぎ話を使って、わかりやすく説明してみます。

世界の多くの地域には、特有の民話や昔話が残されています。

例えば、シンデレラ、白雪姫、桃太郎…など。

では、この決まっているストーリーの中で、どこかを邪魔(阻害)したらどうなるでしょうか。

物語の重要な部分が少し変われば、主人公がたどり着く結末というのは変わってしまいます。

もし、シンデレラが舞踏会でガラスの靴を落とさなかったら…。

もし、白雪姫が喉に詰まらせたリンゴのかけらを吐き出さなかったら…。

もし、おばあさんが川で桃太郎を見つけなかったら…。

私たちが知っているお話の結末は、無かったことになります。

例えば、Eという病気の症状があるとします。

そして、その症状Eは、体の中でA→B→C→D→Eという複雑な経路を経て起きているとします。

もし、最終的に起こるEという症状を起こさせたくないのであれば、Eに至るまでの過程のどこかを邪魔すればいいということになります。

薬の力で、A→Bを邪魔しても、B→Cを邪魔しても、C→Dを邪魔しても、D→Eを邪魔しても、どこを邪魔したとしても結局はEにたどり着けず、Eという症状は起こりません。

病気の進行を一時的に止める場合も、これと同じ原理です。

病気が進行するためには、いくつかの主要な反応経路を必ず経ることになります。

重要なチェックポイントとなる、どこかの経路を邪魔し、その反応が起こらないようにしてあげることで病気の進行や症状が起こることを一時的に止めています。

では、なぜ、薬で病気を一時的に止めようとするのでしょうか。




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