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第七節 治療をする場合は、一瞬で。

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戦いは、長引けば長引くほど勝てる確率は低くなっていくとも言えます。

戦いによって兵士は傷つき負傷し、どんどん弱っていきます。

勝てない状況が続けば続くほど、本当に勝てるのだろうか…と不安にもなり、ストレスは膨らみ、兵士の士気も下がってきます。

それと同時に、軍資金も減っていくため、勝つための戦力はどんどん低下していきます。

だからこそ、戦いは早い段階で決着を付けなければなりません。

できるだけ治療(戦い)をせずに、生活習慣の改善によって体に元気を取り戻し、カラダ自身の自己修復機能によって病気を治すのが最善と言えます。

しかし、時と場合によっては、治療が必要になることもあります。

例えば、病気によって日常生活を送ることが困難になる時や、生命維持に支障をきたす場合など。

このような緊急性の高い場合には、薬を飲んだり、手術などの治療をしたりしなければならないと言えます。

どうしても治療をしなければならない時は、治療期間はできるだけ短く、体への負担はできるだけ小さく、治療自体をスピーディーに終えるべきなのかもしれません。

そうは言っても、病気によっては、半年や一年など、長期間の治療を要求されるものも少なくはありません。

特に、現代医療で治すことが難しい病気というのは、治すことが難しいわけであるので、必然的に治療期間は長くなる傾向があるのではないでしょうか。

ただ、治療の目的とは一体何だったでしょうか。

現代医療における治療とは、病気を治すためにするものではなく、病気を一時的に止める(回避する)ためのもの。

生活習慣の改善により、病気を克服できる生命力を取り戻すための猶予期間を作るためのもの、というのが、治療自体の本質と言えます。

長期間治療を続けるというのは、病気を治すためというよりも、病気を延々と止め続けているという感覚に近いのかもしれません。

しかし、病気というものを、人間の手によって延々に止め続けることはできません。

なぜなら、長く治療を続けるということは、裏を返せば、体に負担を与え続けるという行為になることもあるからです。

つまり、カラダ自体が持たないということです。

どんどん体が弱ることで、余計に病気は進行しやすくもなり、治る可能性も小さくなっていくこともあります。

また、治すのが難しい病気というのは、治療にも、お金がかかるものです。

体も持たなければ、精神(心)も持たない、お金も持たない。

「長い戦いには、何のメリットも無い」と言えます。

治療は、できるだけ最小・最低限にし、病気が止まっている間に生活習慣を改善し、できるだけ体力(生命力)が残っている段階で、速攻で片を付けるべきなのではないでしょうか。

お薬をたくさん飲めば…、手術を何度もすれば…。

治療を長く続ければ、病気が治ると思い込むのは、リスクの高い考え方とも言えます。

もし、治療をするにしても、今の状況を一旦回避するために治療(応急処置)をしてもらう、というような意識が大切なのかもしれません。




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