これまで、何事も自分自身で考えるということが大切である、というような話を何度もしてきましたが、最後に、もう一つだけ触れておきたいことがあります。
人によっては、自分で自分の答えを出さなければならないことは理解できるけれども、もし、筆者の答えがあるのであれば、それを知りたい…、と思う人もいるかもしれません。
ですが、その答えを記すことは、先にも述べているように、あまり意味が無いとも言えます。
なぜなら、筆者が伝えようとしている内容というのは、100%純粋な状態で伝わることはないからです。
なぜ、伝わらないのか…。
それは、個人個人の中にフィルターが存在するからです。
誰でも、何かの情報を得た時に、その情報を必ず自分自身のフィルターに通すことになります。
この情報は正しい…、確かにそうだ…、やっぱりそうか…。
いや、この情報は正しくない…、この人は何もわかっていない…、そんなわけはない…。
自分自身のフィルターによって、正しいと認識されたものは正しいし、正しくないと認識されたものは正しくない、ということになります。
正しいかどうかを決めるのは自分自身。
つまり、すべては自分次第。
これまで筆者が話してきたことも、あなたが正しいかを決める。
この、自身のもつフィルターは、本当は正しいものを正しくないと誤解したり、逆に本当は間違っているものを正しいと信じ込んだりするような、大きなリスクをもっているとも言えます。
例えば、今ここで、「地球は平面で、地平線の向こうは崖になっている」と言ったとします。
地球が球体であることを誰もが知っている今の時代において、上記の発言は間違いである、と誰もが理解できます。
ところが、同じ発言を、地球は平面であると認識していた時代の人に言ったとしたら、どうなるでしょうか。
何を当たり前のことを言っているのか…、というような話になります。
明らかに間違っているものが、正しいものになっています。
結局、情報を受け取る個人のフィルターによって、すべては決まります。
その情報が、本当に正しいのか正しくないのかは関係なく、もはや情報自体に全く意味が無くなります。
上記のような話は、現代と時代が離れ過ぎていますが、もう少し身近な話で言うと、親子間のジェネレーションギャップが挙げられます。
親と子の間で意見が食い違い、何をどう言っても話が通じないということは、よくあることです。
これは、何度も丁寧に時間をかけて説明すれば、お互いが理解し合えるというような話でもありません。
両者の中で、正しいと思っていることが違っています。
なぜ、このようなことが起きるのかと言えば、それは親と子のもつフィルターが全く違うからです。
わずか数十年程度の世代間でも、フィルター(正しさの基準)は異なります。
もちろん、同じ世代間であっても、話が通じないことも当然あります。
では、なぜ個人のフィルターは、異なってしまうのか。
それは、その個人が生まれてから今までにインプットされてきた情報(知識や経験…等)が違うというのも理由の一つです。
毎年、新しい子供が生まれますが、その子供は常に最新の情報がインプットされて育っていきます。
その情報を元に、個人のフィルターというものは形成されていきます。
毎年、少しずつ新しいバージョンの人間が生まれていくことになるわけですが、そんな新バージョンも、いずれ古いバージョンへと変わっていくことになります。
だから、生まれたバージョンが大きく違えば、個人のフィルターも大きく違うため、話が通じないことがあるのかもしれません。
もちろん、誰でも何かしらの情報に触れるため、多少はフィルターがバージョンアップしていきます。
でも、自分の中の情報のアップデートを積極的にしていないと、いずれ問題が起きてきます。
Ver. 1.00、1.01、1.02…ぐらいの小さな変化であれば話は通じるのかもしれませんが、大幅アップデート(大きな価値観の変化)には対応できなくなるとも言えます。
例えば、Ver. 1.00 と Ver. 2.00 では、思考の根本的な骨格(物事の考え方)が全く違う…、というような場合もあります。
正しい情報を正しく受け取るためには、自分自身のフィルターのアップデートが大切とも言えます。
なぜなら、正しさを決めるのは、自分自身のフィルターだからです。
フィルター(判断基準)が正しくないと、すべてが、おかしくなっていきます。
では、日々、最新情報を頭にインプットすることが大切なのかというと、そうではありません。
なぜなら、最新情報だから常に正しい、とは限らないからです。
それでは、地球が平面であるという最新情報を信じていた時代の人と同じ状態(間違った情報を信じ込んでいる状態)になってしまいます。
決して、昔の人々が愚かだったのではなく、ただ間違った情報を子供の頃から教えられて育った…、というだけのことです。
私たち現代人と当時の人々は、遺伝子的にはほぼ同じで、スペックは何も変わらないとも言えます。
ということは、今の私たちが当たり前のように信じている事の中にも、同じような間違いが存在しているかもしれません。
では、一体何をアップデートするべきなのか。
もちろん、情報(知識)のアップデートも大切なことですが、それ以上に、あなた自身のアップデートの方がより必要になります。
つまり、本当の真実を見極めることができるような力が大切になるということです。
そのためには、気づいておかなければならないことがあります。
そもそも、フィルターとは社会によって作られるものですが、それが、どのような意味合いをもつのかを考えたことはあるでしょうか。
それは、自分自身が、その時代の社会によって作られたもの(製品)であるということです。
自分の発言や思考、行動というものが作られたものであるということに気づく必要があります。
いや、自分は、自分の基準、自分の意志で行動している…、と思う人もいるかもしれません。
では、あなたではなく、あなたの両親は、本当に自分で考えて行動してきたと言えるでしょうか。
例えば、現代で言えば、学校に入って、卒業したら会社に入って、結婚して、家を建て、あなたを生んで…、あなたを育てる…。
あなたの生きる時代によっては、この生き方自体よくわからない…、と思う人もいるかもしれません。
私たちは、本当に自分の意志で人生を送っていると言えるのでしょうか。
もしかしたら、自分の意志で人生を送っていると思っているだけなのかもしれません。
成功したい、褒められたい、認められたい、愛されたい、必要とされたい、幸せになりたい…。
綺麗になりたい、美しくなりたい、かっこよくなりたい、恥ずかしい思いはしたくない、馬鹿にされたくない、負けたくない、一番になりたい…。
注目されたい、有名になりたい、影響力のある人になりたい、何か大きなことがしたい、夢を叶えたい…。
これらの欲求は、本当に自分の意思と言えるのでしょうか。
生まれたばかりの赤ん坊は、そんなことを考えるでしょうか。
あなたのもつ意思というものは、長い年月をかけて人間社会の中で、後天的に与えられ、形成させられたものではないでしょうか。
気づくべきは、自分自身が社会によって作られた存在である、ということだけではありません。
私たちは、大きな動物園(人間の造りし園)の中にいるということに気づくことも大切なことです。
子供にとって世界とは、自分の家族がすべてですが、学校に通うことにより、家族の外側の世界を知ります。
そして、会社に入り、社会で働くことで、学校の外側にある本当の世界を知ります。
ところが、その社会が最後の外側ではなく、その外側が存在します。
なぜなら、人間社会とは、実際には本当の世界ではなく、人間が作った大きな箱庭に過ぎないからです。
その動物園の中で、人間は自由にしているわけではなく、生まれた瞬間に檻の中に入れられ、大人になるにつれて無数の鎖(ルール)に縛られていく…。
ただし、これは例え話であり、実際に物理的な檻の中にいるわけではありません。
檻にカギがかかっているわけでもなく、鎖も外すこともできるし、檻の外に出ようと思えば外に出ることもできる。
出るかどうかは、自分次第。
もちろん、必ずしも檻の外の方がいいというわけではなく、檻の中にいた方が心地いいという人もいます。
自分に一番合う場所に行けばいいとも言えます。
また、これは、社会の中で生きるか…、社会の外に出て山の中にこもって生きるか…、というような極端な二択ではありません。
社会との距離感というものは自分で好きなように調整していくものです。
ところが、自分が檻の中にいることも、無数の鎖につながれ、とらわれていることにも全く気づくことさえなく、ただ苦しんでいる人も少なくはないのではないでしょうか。
でも、それが現実社会であり、この厳しい世界で頑張って生きていかなければならない…、と思い込んでいる。
まるで、それが普通なことであるかのような一種のフィルターがかかっている。
これは、決して普通なことではなく、異常なことです。
本来、人間とは、他の動物と同じように、ただの動物として生まれ、動物として、自然の中で自由に生きていくものだったはずです。
それを、人間の社会システムによって、言葉を教え、読み書きを教え、感情を育み、善・悪といった道徳を教え、礼儀を教え、正しい生き方を教え…。
何が上で何が下か、あらゆる優劣を教え、勝ち負けを教え、成功や幸せ、夢といったものを教え、それを手にする手段を教え…。
人は人間社会という箱庭の中で、理想と定義される人生(正解)を追い求め続けながら、何も疑うことなく、一生を生きていく…。
そして、歳を重ね、社会システムによるマインドコントロールのようなものが解けてくると、自分が追い求めていたり手にしたものが、本当に自分が欲しいものではなかった、ということに気づく人もいる…。
人間は、言葉(言語)を生み出し、文字を作り、自分の得た知識や経験を後世に伝え続けることで、さらなる知識やテクノロジーを生み出すことのできる「人間」を作り出し続けてきたとも言えます。
ただの動物を、言葉を話し、夢を追いかける状態にまで育て上げること自体が、人間のもつ最も優れたテクノロジーなのかもしれません。
それによって、人類はここまでの発展を遂げ、もはや自分たちではコントロールできないほどの巨大な社会システムを作り上げてきました。
ただ、その社会システムによって人間は悩み、苦しみ、健康を害し、病気にもなっているのではないでしょうか。
私たちは、まだまだ、高度な文明であるとは言えないのかもしれません。
逆に言えば、人類は、まだ先に行けるとも言えます。
自分自身が生み出した社会システムに振り回されていることに気づき、社会システムによって作られたフィルターを自分の力で外すことができた時、人類の本当の人生が始まるのではないでしょうか。
人間の社会システムを作ったのは人類なのに、その人類が、そのシステムに合わせてしまっているのが現状とも言えます。
使うものと使われるもの、その主従関係が逆転してしまっています。
今を生きる私たちは、過去から積み上げられてきた社会システムに、どうしても合わせなければならない時や、場合は、当然あります。
ですが、別にすべてを、まるでロボット(製品)のように完璧に合わせなくてもいいのかもしれません。
人は、社会システムの生み出すモノ(製品)ではありません。
もちろん、過去の人類によって残された社会システムによって様々な恩恵も受けてはいますが、何も、生き苦しさまでをも全て受け止める必要はないとも言えます。
本当は、私たちは今よりも、もっと自由に生きることができるのではないでしょうか。
…と、これは、あくまでも筆者のフィルターを通して導いた、現時点における思考の一つの形にすぎません。
さらに言えば、ある時代の人間社会によって作られた一人の動物が思考したある一つの考えにすぎません。
このような考え方(知識)が大切なのではなく、このように自分で考えていくこと自体が最も大切なことであり、気づいておかなければならないことです。
なぜなら、自分で思考するということ自体が、あなたをアップデート(成長)させるための、すべての起点となるからです。
自分のフィルターを外せるかどうかも、正しい答えを導けるかどうかも、自分自身の思考レベルにかかっています。
そして、この思考レベルは、自分で考えることでしか成長させることはできません。
ただ栄養を摂取しただけでは、筋肉が成長しないのと同じように、いくら知識を詰め込んでも、脳は使わなければ成長しないとも言えます。
思考レベルが少しずつ向上すれば、より良い情報を見つけられるようにもなるし、情報の理解力も上がり、導ける解決策のレベルも向上します。
もし、導いた解決策で失敗したとしても、これまでよりも多くのことを失敗から学べるようにもなります。
そして、自分自身の間違いや、物事の真実に気づく可能性も高くなっていきます。
一体何がダメなのか…、何が足りていないのか…、何がいらないのか…、何がおかしいのか…。
今まで見えていなかったものが、見えてくるようにもなります。
あらゆる行動から得られる知識や経験の量は増え、自分自身の様々なパラメーターの成長を加速させていきます。
よく、「自分の中に答えはある、だから自分で考えなさい」と言われます。
これは、思考レベルの向上によって、自分自身が成長し、それによって自身の抱える問題というものが解決の方向へと向かっていくからではないでしょうか。
自分自身が成長すれば、導かれる解決策も変わり、行動も変わり、最終的な結果も変わります。
このように、自分で考えること自体が、最も早く、正しく問題を解決するための方法とも言えます。
過去に、自分で考えたものであれば、どんなものでも解決策(悟り)になると述べたことがあります。
なぜ、どんなものでもよかったのか…。
その理由の一つが、今まさに話していることであるとも言えます。
この「自分で考えなさい」というのは、具体的なアドバイス(答え)でもないし、一見遠回りで不親切にも思えます。
ところが、答えを示していないにもかかわらず、すでに完全な答えになっている…。
言い換えれば、あなたの問題解決を切に願って導かれた非常に高度な「答え」の一つなのかもしれません。
でも、自分では、そんな良い解決策を思いつかない…、と思った人もいるかもしれません。
ですが、これは必ずしも自分一人で答えを出さなければならないということではありません。
例えば、答えを出すのに他人の考え方や力が必要だという結論に至ったのであれば、それは自分で考えたことであるので、それでいいとも言えます。
これだけ自分で考えるように言っていたとしても、状況によっては、考えることをやめるということでさえ、答えになる場合もあります。
答えに至る道も、答え自体も、人の思考の数だけ存在します。
そして、様々な経験や思考を積み重ね、その自分で導き続けた答えの先に、あなたの最善の答えとなり得る唯一のもの(真の答え)があるのかもしれません。
さらに、自分自身で答えを見つけてもらおうとしているのには、もう一つ別の意図があります。
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine - / Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.
目次( p. 1 - 159 )
-
まえがき
p. 1 -
医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す。
p. 4 - 5 -
なぜ、薬が病気を治すと信じる世界になったのか?
p. 6 - 8 -
今、本来の概念に戻す時が来ている。
p. 9 - 11 -
病気を治せる薬は存在しない。
p. 13 - 15 -
薬を飲み続けても病気は治らない。
p. 16 - 17 -
病気が治るのを薬が邪魔することもある。
p. 18 - 20 -
薬は様々なリスクを伴う。
p. 21 - 23 -
現代医療の本質とは何か?
p. 25 - 27 -
現代医療の真意は、病気を止めること。
p. 28 - 29 -
現代医療とは、あくまでも病気を治すサポート。
p. 30 - 31 -
カラダをいじればいじるほど問題が起きる。
p. 33 - 35 -
あと、どれだけの薬を作り続けなければならないのか?
p. 36 - 38 -
医療が発展しないジレンマ。
p. 39 - 41 -
病気とは、異物。
p. 44 - 47 -
病気とは、体内システムの異常。
p. 48 - 50 -
病気とは、体の許容オーバー。
p. 51 - 52 -
なぜ、人は病気になるのか?
p. 53 - 54 -
問題の本質を解決するということ。
p. 56 - 57 -
自然界の状態に戻すということ。
p. 58 - 60 -
当たり前のことをするということ。
p. 61 - 63 -
世界最高のテクノロジーとは何か?
p. 65 - 67 -
人のもつ力が未来の医療を変える。
p. 68 - 70 -
未来のテクノロジーとは、概念そのもの。
p. 71 - 74 -
はじめに
p. 77 -
データを根拠にしない理由
p. 78 - 80 -
運動 ― 動物は、動くもの。
p. 81 - 84 -
食事 ― 命そのものを食べる。
p. 85 - 93 -
睡眠 ― 危険が無いから眠れる。
p. 94 - 100 -
自然環境 ― 過酷な環境が生命を強くする。
p. 101 - 103 -
病気になる最大の理由
p. 105 - 107 -
ストレスとは何か?
p. 108 - 112 -
ストレスと、どう向き合うべきか?
p. 113 - 132 -
はじめに【重要】
p. 135 -
第一節 いかにして戦わずに勝つか。
p. 136 -
第二節 勝つ意思のある者が勝つ。
p. 137 - 138 -
第三節 強い相手だと思ったら、戦わない。
p. 139 - 140 -
第四節 守りを固めて待つ。
p. 141 - 142 -
第五節 病気になった理由を考える。
p. 143 - 145 -
第六節 肩の力を抜いて、気楽に。
p. 146 -
第七節 治療をする場合は、一瞬で。
p. 147 -
第八節 ほんの少しの治療で止める。
p. 148 -
第九節 病気に止めを刺さない。
p. 149 -
第十節 病気と仲間になる。
p. 150 -
第十一節 治療をするか迷ったら。
p. 151 - 154 -
自分の病気を治すための最善の方法
p. 156 -
さいごに
p. 157 - 159
―
―
―
―
―
―
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine -
Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.
