日々、体内では、病気の源(異物)が生まれているとも言えます。
では、なぜ、人はすぐには病気にならないのでしょうか。
それは、カラダ自身が毎日生まれている異物を除去し、体内をキレイな状態に保ってくれているからです。
このような異物の除去システムのことを「免疫」と言います。
今では、多くの人が、一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。
先天的な特殊な病気を除いて、もともと健康な状態で生まれてきた多くの人がなる病気というのは、その多くが体内の異物に由来します。
ということは、その異物を除去してくれる免疫というのは、人間の代表的な死因となる多くの病気をカバーすることのできる非常に優れた人間のシステムであるとも言えます。
体の中をキレイに保つだけで健康を維持できる。
体の中をキレイに保つことが、いかに重要なことであるのかを意味しています。
逆に、日々生まれる異物を免疫によって除去しきれなければ、異物は蓄積していき、あらゆる病気を引き起こしてしまうとも言えます。
例えば、仮に一日の間に10個の異物が体内に生じていたとすると、毎日10個の異物を処理できる能力があれば、10 – 10 = 0 個、蓄積する異物(病気の源)が無いため大きな病気に成長しようがないとも言えます。
もし、処理能力が 8 個しかなければ、10 – 8 = 2 個、処理しきれない異物が2個残ってしまうため、毎日2個ずつ異物は蓄積していくことになります。
そして、時間をかけて異物はさらに蓄積し、病気とも言えないような、目に見えないただの小さな異物が大きな病気へと変わっていきます。
人によって、体内に生じる異物の量も、その異物の処理能力(免疫力)も違います。
食べるものや運動量、その他もろもろの生活習慣によっても変わってきます。
いずれにしても、「異物(ゴミ)の発生量が、その処理能力を上回る」という関係になった時に、病気は作られていくと言えます。
異物を処理する免疫は、生まれた段階では未成熟であり、成長とともにどんどん強くなっていきます。
成長とともに様々な病原体に触れることになるため、自然に強く成熟していくとも言えます。
体が成長しきってしまうまでは、免疫力は上がっていきます。
縦軸を免疫力、横軸を年齢とし、まるで山のようなグラフを描きます(1)。
人によって個人差がありますが、概ね20代をピークに徐々に低下していき、40代では70%にまで低下するとも言われています(ただし、免疫力は個人差があるため、正確に数値を覚える必要性は無いのかもしれません)。
免疫が低下すると異物の処理が間に合わずに病気になるわけですが、一体どれくらい低下すると病気になるのでしょうか。
例えば、癌による死亡率は何歳ぐらいから高くなるのかというと、40歳(免疫のピークの70%)ぐらいから徐々に死亡する人の数は増え始めます(2)。
心臓病に関しても、30代後半あたりから死亡する人は増えてきます(3)。
ということは、MAX能力(20代)の7割あたりを切ってくると問題が生じる可能性は高くなると言えます。
MAXから70%の間であれば問題が生じていない人が多いということは、人間の免疫の許容範囲は、概ね30%程度であるとも言えます。
ただし、先にも述べたように人によって全く異なります。
例えば、平均的には30代で、免疫力というものがMAXの8割であるとしても、悪い生活習慣を送っていれば体内に生じる異物の量は増加するし、その異物を処理しきれないのであれば、いくら免疫が高いと言われる若い世代であっても病気になります。
逆に、平均的に50代の人は免疫力がMAXの6割程度しかないと言われていても、良い生活習慣で、体内で発生する異物の量が少ないのであれば、免疫が低くても、十分対応できるため病気にならないこともあるとも言えます。
単純に免疫が高ければ病気にならないわけではなく、異物の量と処理能力が逆転するのであれば病気になってしまうのかもしれません。
また、免疫力というのは20代をピークに加齢によって低下すると言っても、これはあくまでも平均的な話でしかありません。
同じ50代と言っても、高い免疫を維持している人もいれば、弱った免疫の人もいます。
この差が、同年代でも病気になる人とならない人の差を生み出す一つの要因とも言えるのかもしれません。
免疫力の数値が何%なのかということは重要ではなく、問題になる異物を除去できるかどうかが、病気になるのかならないのかの差を生むのではないでしょうか。
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine - / Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.
目次( p. 1 - 158 )
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まえがき
p. 1 -
医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す。
p. 4 - 5 -
なぜ、薬が病気を治すと信じる世界になったのか?
p. 6 - 8 -
今、本来の概念に戻す時が来ている。
p. 9 - 11 -
病気を治せる薬は存在しない。
p. 13 - 15 -
薬を飲み続けても病気は治らない。
p. 16 - 17 -
病気が治るのを薬が邪魔することもある。
p. 18 - 20 -
薬は様々なリスクを伴う。
p. 21 - 23 -
現代医療の本質とは何か?
p. 25 - 27 -
現代医療の真意は、病気を止めること。
p. 28 - 29 -
現代医療とは、あくまでも病気を治すサポート。
p. 30 - 31 -
カラダをいじればいじるほど問題が起きる。
p. 33 - 35 -
あと、どれだけの薬を作り続けなければならないのか?
p. 36 - 38 -
医療が発展しないジレンマ。
p. 39 - 41 -
病気とは、異物。
p. 44 - 47 -
病気とは、体内システムの異常。
p. 48 - 50 -
病気とは、体の許容オーバー。
p. 51 - 52 -
なぜ、人は病気になるのか?
p. 53 - 54 -
問題の本質を解決するということ。
p. 56 - 57 -
自然界の状態に戻すということ。
p. 58 - 60 -
当たり前のことをするということ。
p. 61 - 63 -
世界最高のテクノロジーとは何か?
p. 65 - 67 -
人のもつ力が未来の医療を変える。
p. 68 - 70 -
未来のテクノロジーとは、概念そのもの。
p. 71 - 74 -
はじめに
p. 77 -
データを根拠にしない理由
p. 78 - 80 -
運動 ― 動物は、動くもの。
p. 81 - 84 -
食事 ― 命そのものを食べる。
p. 85 - 93 -
睡眠 ― 危険が無いから眠れる。
p. 94 - 100 -
自然環境 ― 過酷な環境が生命を強くする。
p. 101 - 103 -
病気になる最大の理由
p. 105 - 107 -
ストレスとは何か?
p. 108 - 112 -
ストレスと、どう向き合うべきか?
p. 113 - 132 -
はじめに【重要】
p. 135 -
第一節 いかにして戦わずに勝つか。
p. 136 -
第二節 勝つ意思のある者が勝つ。
p. 137 - 138 -
第三節 強い相手だと思ったら、戦わない。
p. 139 - 140 -
第四節 守りを固めて待つ。
p. 141 - 142 -
第五節 病気になった理由を考える。
p. 143 - 145 -
第六節 肩の力を抜いて、気楽に。
p. 146 -
第七節 治療をする場合は、一瞬で。
p. 147 -
第八節 ほんの少しの治療で止める。
p. 148 -
第九節 病気に止めを刺さない。
p. 149 -
第十節 病気と仲間になる。
p. 150 -
第十一節 治療をするか迷ったら。
p. 151 - 154 -
自分の病気を治すための最善の方法
p. 156 -
さいごに
p. 157 - 158
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