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第四節 守りを固めて待つ。

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この戦略は、体を傷つけずに、再発をさせずに病気を治すためのものですが、欠点が無いわけではありません。

大前提として、自力で病気を止めることができなければ、失敗してしまいます。

失敗するのが不安だから、普通は治療をしようとします。

しかし、治療したとしても病気を抑え込める力が無ければ、結局は再発するし治らない場合は少なくありません。

では、治療しながら、それと並行して生活習慣を改善し生命力を上げればいいのでは、と考える人もいるかもしれません。

しかし、その場合は、治療で受けたダメージの分だけ余計に生命力を上げなければなりません。

例えば、病気が発覚した時点で生命力が80で、その病気を治すのに102の生命力が必要であるのならば、上げなければならない生命力は20となります。

一方、治療で20のダメージを受け60の生命力になったとすれば、上げなければならない生命力は40となります。

人によっては、治療で敵にもダメージを与えているのだから、上げなければならない生命力も少なくて済むのでは、と思う人もいるかもしれません。

確かに、敵も自分と同じ20のダメージを負っているのであれば、上げなければならない生命力の量は40ではなく20で済むのかもしれません。

でもそれなら、初めから治療しなかった時と同じではないでしょうか。

むしろ、より低い位置から頑張らなければならないため、より苦しく大変になるとも言えます。

人間が慢性ストレスに弱いことを考慮すると、できるだけ辛く苦しい思いは避けた方が助かる確率は高くなるのかもしれません。

多様な要因があるため、こんな単純な計算にはあまり意味はありませんが、治療前(病気になった時)よりも、より多くの生命力が必要になることは間違いのない事なのではないでしょうか。

人間の生命力は、生活習慣の改善によって上げることはできますが、2倍も3倍も上げることはできません。

生命力が上がりすぎて、逆に体に問題が起こらないように上限が決まっています。

少しずつしか体力(生命力)は回復していきません。

つまり、病気を治すために必要な力を手に入れるのに、一定の時間がかかるということです。

これは、体が弱っていれば弱っているほど時間がかかります。

また、治療でダメージを受けるほど時間がかかります。

無限に時間が与えられていれば問題はありませんが、病気も時間とともに勢力を増すため、早く生命力を取り戻せなければ失敗します。

だからこそ、治療でダメージを受けていない、まっさらな状態が、生活習慣の改善で生命力を上げるタイミングとしては最も望ましいと言えます。

上げなければならない生命力の量も少ないので、時間もかからないし、より楽になります。

守りを固めて待つという戦略をとった場合に、最短で結果を出そうと思うのであれば、この戦略は、治療前(体をいじる前)に行うのがベストであると言えます。

そして、最も可能性のある最大のチャンスは、病気が発覚した直後の一回しかありません。

なぜなら、病気が発覚した直後が、一番体力(生命力)が残っているからです。

それ以降は、病気の進行や、それに伴うストレス、治療自体の副作用などにより、徐々に体力は削られていきます。

最も体力のあるタイミングを逃さないことが、この戦略で勝利するための重要なキーポイントになるとも言えます。




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