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病気とは、異物。

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免疫を上げても病気が治らないケースは少なくありません。

これは、治らないというよりも治すのに時間がかかるということも理由として考えられます。

免疫を上げれば上げるほど、病気の源となる体内の異物の処理能力は高くなるため病気が治るのは早くなると言えます。

しかし、免疫は2倍も3倍も高くすることはできません。

MAXの70%以下に免疫が低下すると病気になる確率は高くなると言えるわけですが、それを見越して30%程度上乗せで20代の時に人間の免疫は最高値まで高くなっているとも考えられます。

免疫が高ければ高い方が病気にならないし病気が治るのが早くなるのであれば、20代の時に、もっともっと高く免疫を上げるようにカラダが進化していてもいいようにも思えますが、あまりに高ければ、今度は自身の細胞への悪影響などの問題も生じてくるため、丁度良いところで落ち着いているとも言えます。

つまり、どこまでも免疫力は上がるわけではなく、個人個人で能力の限界値は存在します。

一日に処理できる異物の量に上限があるということは、病気としての異物が大きければ大きいほど、その異物を処理しきる(病気を治す)のに、それ相当の時間を要するということです。

異物の処理のために与えられる猶予期間は人それぞれです。

異物自体が生命維持を脅かす状態になる前に処理できれば助かりますが、間に合わなければ死んでしまいます。

免疫というのは病気を治すこともできる力ではありますが、本来は病気にならないための力です。

病気になってしまうと治すのが非常に困難になるため、そもそも病気にならないことを目的として備わったカラダのシステムが免疫と言えます。

そのシステムは、長い人間の進化の中で、最も効率的な方法として到達したシステムでもあります。

そして、年齢を重ねても病気にならない人がいるように、自然の中で普通に生活していれば、病気にならないように必要最低限のシステムが設定されているとも言えます。

人間の体としては、年齢を重ねたとしても、病気になるボーダーラインよりも免疫が低下するということは想定していないのかもしれません。

世の中の様々なものには安全装置というものがついていますが、免疫というものも人間が病気にならないための安全装置とも言えます。

ただし、安全装置は、ある程度の状況からは守ってくれますが、想定外の危険からは守ることが難しくなるとも言えます。

例えば、安全性を考慮してメーカーが商品を作り、普通の使い方をしてくれれば問題が起こらないとしても、ユーザーが予想もしないような使い方をすれば危険から守り切れないこともあります。

多くの現代人が病気になっているのは、現代人の置かれている状況(ライフスタイル)というものが、人間のカラダが想定した範囲外にあるということを示唆しているのかもしれません。



免疫が低下すると病気になると言えます。

では、その免疫システムに異常が起きた場合はどうなるのでしょうか。




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