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ストレスと、どう向き合うべきか?

p. 115( p.113 - 132 )




大きなストレスを抱えているのは当然、現代人だけではありません。

いつの時代においても、人々は何らかのストレスを感じ、どうすればストレスから解放され幸せになれるのか、ということを考え続けてきました。

まさに、ストレスとは、人類が解決したい永遠のテーマの一つであるとも言えます。

では、これまで人類は、ストレスに対してどう向き合ってきたのでしょうか。

理屈では解決することが難しいストレスに対して、人類が創造(想像)したものがあります。

それが、精霊や神のような絶対的な存在です(1)

初めは、身近にある石や木に対して、精霊というものが宿っていると考えるようになり、自身のストレスとなっている問題の解決を願ったのかもしれません。

精霊に願ったからといって必ず願いが叶うわけではありませんが、中には偶然叶ってしまう事もあります。

そうなると、上手くいったのは、「精霊に、お願いしたからである」と考えるようにもなります。

そのような出来事が積み重なると、自身の想像した精霊という超自然的な存在を、どんどん信じていくようになります。

狩猟採集から農業が始まり定住を始めると、人類の人口は爆発的に増えていくわけですが、自然界の状態からズレてしまっていくにつれて、人間が抱えるストレスは増えていきます。

狩猟採集から農業に変わることで、食料を確保するための労働時間も増えていくし、定住することで雨が降らずに作物が育たない、というような新たな問題も生じます。

また、関わる人間の数が増える程、人間関係は複雑になるし、それによってストレスの原因も無数に増えていきます。

ストレスの数や量が増えていくとともに、願う精霊の数や、その存在も、だんだんと大きくなっていきます。

石や木の精霊で願いが叶わなければ、より大きな石や大きな木に願い…、それでもダメなら海や山の神というように、信じる対象の存在は徐々に大きく・力のあるものへと変わっていきます。

そして、人類は自分自身を助けてくれる存在を、どこまで大きくするのかというと、最終的には全知全能の唯一の神にまで到達します。

全ての問題を解決することができるし、それよりも優れた存在は存在しないというような、絶対的な神をつくり上げ、それを信じていくようになります。

それによって、自分たちで理解できないことや理不尽な出来事も、神という超自然的な存在(理解を超えた存在)によるものであると考えることもできるようになります。

これは、自身のストレスになることを、自分のせいではないと考えることもできるということです。

このような、唯一の存在を信じるようになった社会集団は「宗教」と呼ばれています。

では、なぜ人類の多くの人は宗教を信仰しているのでしょうか。




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