ストレスが健康に良くないとは思っていない人の死亡率は、低下していなかった、という話があります(1)。
ある健康心理学者は、こうした研究を紹介し、ストレスが多いと、死亡するリスクが43%増加するが、それはストレスが健康に害があると認識している場合であると説明しました。
つまり、ストレスは健康に良くない、と思っている人が、ストレスを受けた場合、死亡リスクが上がるという事です。
逆に、ストレスと健康に関係性は無いと考えている人の場合は、ストレスを受けても、死亡リスクは上がらないとも言えます。
また、科学的にはストレスの捉え方次第で、ストレスに対する体の反応が変わる研究も紹介されています。
例えば、ストレスを感じると心臓がドキドキするが、これを体に悪いとネガティブに捉えると、実際に血管が収縮し心不全などの原因となります。
ところが、心臓がドキドキするのは、新鮮な血液を心臓にどんどん送り込んでくれているのだ、と肯定的に捉えると、血管が収縮しないことが分かった。
すなわちストレスは、捉え方により、健康に全く害がないと主張しています(2)(3)。
もちろん、本人が、どれだけ健康に害がないと思っていたとしても、受けるストレスの量や状況によっては、全く健康に害がないとは言えないとも言えます。
ただ、本人の捉え方による影響というものは、とても大きなものであるということは納得できる人も多いのではないでしょうか。
つまり、ストレスとは人間の思考そのものと言ってもいいのかもしれません。
人間は多様な思考ができるからこそ、人によって異なる多様な出来事や状況に対して、無数・無限のストレスを生み出すことができるとも言えます。
ストレスになるようなものではなかった出来事でも、本人の思考によってストレスになったり、思考を繰り返すことで小さなストレスが大きなストレスになったりもします。
よく日常の中でも、自分の悩みを人に相談すると、そんな事はたいしたことではない…、そんなことはストレスにはならない…、私の方が大変な思いをしている…、などと言われることがあります。
しかし、ストレスとは、本人が受けているストレス状況の大きさのみによって決まるものではなく、本人の思考によっても増減します。
つまり、個人個人のストレス状況を比較する事は、あまり意味がないとも言えます。
本人が受けているストレスが周りと比べて小さいからと言って、その本人のストレスが小さいとは限りません。
ストレスの小さな種に水を与え続ければ、やがてストレスの花が咲きます。
人間は、何もないところからストレスをつくり出すこともできます。
逆に、思考することができなければ、人間のようなストレスを感じ取ることはできないとも言えます。
このような想像力というのは、動物と人間の大きな差であり、自然界との大きなズレであるとも言えます。
本来、動物には無かった 「思考する」という能力を手に入れたことで、人間はストレスを感じることさえもできるようになっていったのかもしれません。
それによって、人間は自然界の状態から離れていっているのではないでしょうか。
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine - / Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.
目次( p. 1 - 158 )
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まえがき
p. 1 -
医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す。
p. 4 - 5 -
なぜ、薬が病気を治すと信じる世界になったのか?
p. 6 - 8 -
今、本来の概念に戻す時が来ている。
p. 9 - 11 -
病気を治せる薬は存在しない。
p. 13 - 15 -
薬を飲み続けても病気は治らない。
p. 16 - 17 -
病気が治るのを薬が邪魔することもある。
p. 18 - 20 -
薬は様々なリスクを伴う。
p. 21 - 23 -
現代医療の本質とは何か?
p. 25 - 27 -
現代医療の真意は、病気を止めること。
p. 28 - 29 -
現代医療とは、あくまでも病気を治すサポート。
p. 30 - 31 -
カラダをいじればいじるほど問題が起きる。
p. 33 - 35 -
あと、どれだけの薬を作り続けなければならないのか?
p. 36 - 38 -
医療が発展しないジレンマ。
p. 39 - 41 -
病気とは、異物。
p. 44 - 47 -
病気とは、体内システムの異常。
p. 48 - 50 -
病気とは、体の許容オーバー。
p. 51 - 52 -
なぜ、人は病気になるのか?
p. 53 - 54 -
問題の本質を解決するということ。
p. 56 - 57 -
自然界の状態に戻すということ。
p. 58 - 60 -
当たり前のことをするということ。
p. 61 - 63 -
世界最高のテクノロジーとは何か?
p. 65 - 67 -
人のもつ力が未来の医療を変える。
p. 68 - 70 -
未来のテクノロジーとは、概念そのもの。
p. 71 - 74 -
はじめに
p. 77 -
データを根拠にしない理由
p. 78 - 80 -
運動 ― 動物は、動くもの。
p. 81 - 84 -
食事 ― 命そのものを食べる。
p. 85 - 93 -
睡眠 ― 危険が無いから眠れる。
p. 94 - 100 -
自然環境 ― 過酷な環境が生命を強くする。
p. 101 - 103 -
病気になる最大の理由
p. 105 - 107 -
ストレスとは何か?
p. 108 - 112 -
ストレスと、どう向き合うべきか?
p. 113 - 132 -
はじめに【重要】
p. 135 -
第一節 いかにして戦わずに勝つか。
p. 136 -
第二節 勝つ意思のある者が勝つ。
p. 137 - 138 -
第三節 強い相手だと思ったら、戦わない。
p. 139 - 140 -
第四節 守りを固めて待つ。
p. 141 - 142 -
第五節 病気になった理由を考える。
p. 143 - 145 -
第六節 肩の力を抜いて、気楽に。
p. 146 -
第七節 治療をする場合は、一瞬で。
p. 147 -
第八節 ほんの少しの治療で止める。
p. 148 -
第九節 病気に止めを刺さない。
p. 149 -
第十節 病気と仲間になる。
p. 150 -
第十一節 治療をするか迷ったら。
p. 151 - 154 -
自分の病気を治すための最善の方法
p. 156 -
さいごに
p. 157 - 158
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