ストレスは思考によって生み出されるものと言えますが、どんな思考によってもストレスは生じるのでしょうか。
思考と言っても、数学の問題を解くための思考もあれば、相手のことを思いやり感謝するための思考もあります。
ストレス化する思考というものを考えた時には、それは、「自分自身について考える思考」と言えるのかもしれません。
特に、自分自身の不幸について考えるような思考です。
現在の不幸(不満)、過去の不幸(後悔)、未来の不幸(不安)。
このような悩み事(ストレス)は、自分自身にフォーカスした思考そのものではないでしょうか。
自然界の多くの動物は、自分のことを深く考えることもできなければ、自分のことを考え、その考えに一喜一憂することもできません。
もし、一部の動物に心というものがあったとしても、その心に人間の喜怒哀楽のような感情はなく、人間に比べれば無とも言える状態なのかもしれません。
本来、動物の心(精神)の状態というのは、感情の波がほとんど無いフラットに近い状態(無)を常に保っているとも言えます。
一方、人間の場合は、あらゆる出来事に対して反応し、感情は大きな波を打っています。
その感情に対して人間の思考が加わることで、ストレスというものは生じているのかもしれません。
プラスの感情の時には、プラス(前向き)の思考になるし、マイナスの感情の時には、マイナス(後向き)の思考になるのではないでしょうか。
気分がいい時は、毎日が楽しいし、気分が落ち込んでいる時は、同じような日々を送っていたとしても毎日が楽しくない。
これは、感覚的に理解できる人も多いと思います。
つまり、「ただ思考しただけではストレスは生じず、負の感情を抱いている時に思考することによってストレスは生じる」と言えます。
さらに、負の感情が大きければ大きいほど、思考は深く繰り返され続け、ストレスも大きく増幅していきます。
人間は、「思考と感情」という、動物には無い人間らしさをもっていますが、この自然界とのズレの代償が、人間が抱えているストレスを生み出していると言えるのかもしれません。
しかし、人間の手にした思考や感情というものは、決して悪者ではないとも言えます。
感情をもち、思考することができるからこそ、他者の気持ちを完璧ではないにしても自分のことのように理解することもできます。
それによって、他者に対して思いやりの気持ちを持つことができたり、困っている他者を助けたり協力したりすることもできます。
また、大切な気持ちを抱くことで、他者を愛したり、逆に愛してもらったりすることもできます。
この「愛」と呼ばれているものは、人間が手にしたものの中でも非常に素晴らしいものではないでしょうか。
ただ、現代社会においては、愛というものが少なくなってきているのかもしれません。
地球規模の情報通信網の発達によって、世界の多くの人はつながりましたが、それにつれて愛の無い言葉で他者を傷つけているような場面を目にする機会も多くなってきていると言えます。
ほんの少し言葉が足りなかったり、相手のことを思ってしたことであるのに、なぜか責められたりしてしまう事もあります。
冷静に考えれば、それほど責めるべきことなのかと思うようなことも少なくはありません。
どこか、何か発言したり行動を起こしたりすれば他者から責められるのではないか、と怯えるような社会になってきているとも言えます。
このように、他者を思いやったり愛したりする気持ちが少なくなっているのは、現代人の多くが大きなストレスを抱え、自分自身に余裕が持てなくなってきているからなのかもしれません。
普段の日常の中においても、自分に余裕がない時に、本当は怒るはずではなかったのに怒ってしまったり、相手の行動や発言がいつもより気になり失礼な態度をとってしまった、というようなことは少なくは無いのではないでしょうか。
日々のストレスというものが自身の身の危険を感じさせるレベルであるため、自分の身を守らなければという本能から、思いやりや愛という気持ちの優先順位が下がり、他者に対して攻撃的になっているとも言えます。
世間では、子どもが親を殺したり、親が子どもを殺したり、無差別殺人が起きたり、信じられないような事件がニュースになることもあります。
こういったことも、現代人がいかにストレスを抱えているのかということを意味しているのではないでしょうか。
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ストレスの実体は、人間の思考そのものであり、それは負の感情を抱いている時の思考によって生じると言えます。
このようなストレス思考が長期化することで、自然界の状態からズレ、人間は病気になるリスクが高くなると言えます。
ただ、ストレスが、どういうものなのか、という事が定義できたとして、結局、どう対策していけばいいのでしょうか。
私たちはストレスと、どう向き合っていけばよいのでしょうか。
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine - / Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.
目次( p. 1 - 158 )
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まえがき
p. 1 -
医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す。
p. 4 - 5 -
なぜ、薬が病気を治すと信じる世界になったのか?
p. 6 - 8 -
今、本来の概念に戻す時が来ている。
p. 9 - 11 -
病気を治せる薬は存在しない。
p. 13 - 15 -
薬を飲み続けても病気は治らない。
p. 16 - 17 -
病気が治るのを薬が邪魔することもある。
p. 18 - 20 -
薬は様々なリスクを伴う。
p. 21 - 23 -
現代医療の本質とは何か?
p. 25 - 27 -
現代医療の真意は、病気を止めること。
p. 28 - 29 -
現代医療とは、あくまでも病気を治すサポート。
p. 30 - 31 -
カラダをいじればいじるほど問題が起きる。
p. 33 - 35 -
あと、どれだけの薬を作り続けなければならないのか?
p. 36 - 38 -
医療が発展しないジレンマ。
p. 39 - 41 -
病気とは、異物。
p. 44 - 47 -
病気とは、体内システムの異常。
p. 48 - 50 -
病気とは、体の許容オーバー。
p. 51 - 52 -
なぜ、人は病気になるのか?
p. 53 - 54 -
問題の本質を解決するということ。
p. 56 - 57 -
自然界の状態に戻すということ。
p. 58 - 60 -
当たり前のことをするということ。
p. 61 - 63 -
世界最高のテクノロジーとは何か?
p. 65 - 67 -
人のもつ力が未来の医療を変える。
p. 68 - 70 -
未来のテクノロジーとは、概念そのもの。
p. 71 - 74 -
はじめに
p. 77 -
データを根拠にしない理由
p. 78 - 80 -
運動 ― 動物は、動くもの。
p. 81 - 84 -
食事 ― 命そのものを食べる。
p. 85 - 93 -
睡眠 ― 危険が無いから眠れる。
p. 94 - 100 -
自然環境 ― 過酷な環境が生命を強くする。
p. 101 - 103 -
病気になる最大の理由
p. 105 - 107 -
ストレスとは何か?
p. 108 - 112 -
ストレスと、どう向き合うべきか?
p. 113 - 132 -
はじめに【重要】
p. 135 -
第一節 いかにして戦わずに勝つか。
p. 136 -
第二節 勝つ意思のある者が勝つ。
p. 137 - 138 -
第三節 強い相手だと思ったら、戦わない。
p. 139 - 140 -
第四節 守りを固めて待つ。
p. 141 - 142 -
第五節 病気になった理由を考える。
p. 143 - 145 -
第六節 肩の力を抜いて、気楽に。
p. 146 -
第七節 治療をする場合は、一瞬で。
p. 147 -
第八節 ほんの少しの治療で止める。
p. 148 -
第九節 病気に止めを刺さない。
p. 149 -
第十節 病気と仲間になる。
p. 150 -
第十一節 治療をするか迷ったら。
p. 151 - 154 -
自分の病気を治すための最善の方法
p. 156 -
さいごに
p. 157 - 158
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