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自然環境 ー 過酷な環境が生命を強くする。

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不衛生な自然環境と、清潔な現代人の生活環境との違いとは、病原体(ウィルスや細菌など)の多さの違いとも言えます。

病原体に接触すればするほど、体内に病原体が取り込まれるほど、カラダの生命力(免疫力)は高くなります。

体内に侵入した病原体に対処するために、体は病原体を除去するための機能(免疫)を必然的に高く維持しなければなりません。

環境に合わせて、体を適応させているとも言えます。

つまり、病原体の多い自然環境に、ただ身を置いているだけで、自然に免疫力が高くなっているということです。

過酷な自然界の環境そのものが、動物の高い生命力を維持するための一つの要因になっています。

大きな病気になった人が、自然の多い環境で療養すると病状が良くなることがありますが、それは空気中に浮遊する病原体によって患者の免疫力が高くなったことも一つの要因とも考えられます。

また、サプリメントで免疫を上げるようなものもありますが、基本的には上記のような自然の理を利用しています。

体の中に、乳酸菌などの細菌を入れたり、病原体のカタチによく似た食物繊維などを入れたりすることによって、病原体の多い本来の自然環境を疑似的に再現しようとしています。

カラダは、実際の病原体であっても疑似的な病原体であっても、病原体が体に侵入したと思うことができれば、自然に免疫を上げようとしてくれます。

また、免疫を上げようとしてくれるのは、空気中に浮遊するような病原体だけではありません。

食べ物も、免疫を上げる一つの要因になっています。

人がまだ狩りをしていた時代、捕らえた動物を食べたり、植物を食べたりと、食べれそうであると思うものは何でも食べていたはずです。

その中には、病原体によく似た形状をしたものもあったかもしれません。

また、捕った魚や肉を入れるクーラーボックスも無ければ、すぐに家に帰るための交通手段も無く、家には冷蔵庫もありません。

原始人が食べる頃には、その食材は傷み、私たちがスーパーで買ってきて食べる食材よりも、細菌などの病原体が繁殖していたかもしれません。

今の私たちよりも、はるかに多くの病原体を摂取していたとも言えます。

それは、まるで、天然の免疫サプリメントを毎日飲んでいるようなものです。

自然界の動物は、知らず知らずのうちに、身の周りの病原体をも利用して、自身の高い生命力を保持することのできる免疫システムを手に入れています。

動物の一つである人間も、同じようなシステムをもっていますが、生活環境が自然界のものとは離れすぎているため、自然界の動物ほどの恩恵を得ることができていないとも言えます。




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