あなたは、最近の一週間の間に多くの情報を見たと思いますが、その中に有益な情報はいくつあったでしょうか。
お金を払ってでも見たかった情報はあったでしょうか。
そんな情報は、ごく僅かではないでしょうか。
人によっては、一体何を見たのかさえ覚えていない人もいるのではないでしょうか。
受動的に得た情報は記憶にも残りにくいとも言えます。
そんな情報というのは、地震や嵐などの生命に関わるような災害情報などに比べれば、ほとんどが、あまり重要では無いような情報と言えるのではないでしょうか。
例えば、有名人に関する動画、美しい人やかっこいい人の動画、幸せそうな家族の動画、楽しい旅行の動画、美味しい料理を食べている動画、豪華な家のルームツアー、高額商品の紹介動画、幸せな出来事を報告している動画…など。
このような情報というのは、命に関わることのないような無益な情報と言えるのではないでしょうか。
無料で見られているのだからいいのではないか…、と思う人もいるかもしれません。
しかし、無料なものほど怖いものはないとも言えます。
もし、その情報が無益なだけではなく、むしろ害があるとしたらどうでしょうか。
他人の幸せそうな姿を見た時に、人は、いいなと思ったり、羨ましいなと思ったりしてしまうものです。
自分も、あんな高級な服が着たい、いい車に乗りたい、いい家に住みたい…。
今よりも、もっといい暮らしがしたい、あんな自由な人生を送りたい…。
でも、今の状況では叶えられない…。
我慢するしかない…。
今の自分は、安い服を着ている…、美しくない…、スタイルが悪く太っている…、お金がない…、長い間旅行にも行っていない…、全然遊んでない…、家は狭いし汚い…、素敵な恋人はいない…、家族は幸せではない…、毎日楽しくない…。
他人の状況と自分の状況を比べることで、人によっては多種多様なマイナスの感情が生じてしまうこともあります。
今まで幸せを感じ満足していたのに、他人と比べた瞬間に幸せを感じられなくなり、どんどん満足できなくなっていく…。
自分がすでにもっている幸せが見えなくなって、自分の不幸ばかりが目に付くようになり、自分は幸せではないと思うようになっていく…。
あまり重要ではないはずの他人の情報によって、人は悩み苦しむこともあるとも言えます。
毎日毎日、他人の情報を見続けるということは、毎日毎日、頭の中に悩みの種を撒き散らしている様なものなのかもしれません。
悩みを解決しても解決しても、どんどん悩みは出てくる…。
なぜなら、悩みの種をずっと撒いているから…。
その種から悩みが咲き乱れ、夜寝る前も、悩みを考えてしまうことが止まらないのではないでしょうか。
それでは脳は休まらず、眠ることなどできないのは当然とも言えます。
しかし、他人の情報を知ることがなければ、悩むことはないのかもしれません。
例えば、新しいおもちゃを買ってもらえず、子供が泣き叫んでいるとします。
でも、そのおもちゃのことを知らなければ、子供はおもちゃをねだることもなければ、泣くこともありません。
とは言え、入ってくる他人の情報を断つことは簡単なことではないとも言えます。
なぜなら、社会は次から次へと新しい情報を提供しようとしてくるからです。
私たちは、提案される情報を見終わったら、次に提案される情報を見る…、また次の情報を見る…、というように閲覧することが止まらなくなっているのではないでしょうか。
ちょっとした移動時間、トイレの時間、食事の時間まで、いつでもどこでも、あまり重要ではないような情報を検索するようになってはいないでしょうか。
もしかしたら、すでに、自分が多くの無駄な時間(無意味な時間)を過ごしている場合もあることに、もう、あなたは気づいているのではないでしょうか。
それでも、ついつい見続けてしまっているのではないでしょうか。
特に見たいものがあるわけでもない時でも、閲覧し続けてはいないでしょうか。
それは、あなたが悪いわけではなく、そうなるように頭のいい人たちが情報の提供の仕方を工夫し、いつまででも見続けるように、どうしても見たくなるように、依存するようにデザインしているからです。
だからこそ、気づけば時間が溶けていってはいないでしょうか。
私たちは、日々、貴重な時間を奪われ、悩みの元になる様な情報を見せさせられ続けています。
中には有益な情報もありますが、そのほとんどは無益であり、人によっては害となる可能性のある情報の方が多いとも言えます。
まるで、たくさんの飴(あめ)が入った箱の中から、自分の好きな味の飴を探し食べているようなものです。
自分の欲しい飴が見つかっても、また別の飴をずっと探し食べ続けている…。
どんなものでも、食べ過ぎれば体に毒になるとも言えます。
ところが、私たちは楽しい時間、ためになる時間を提供してくれていると思ってはいないでしょうか。
甘い飴(あめ)と引き換えに、気づかぬうちに、心と体が蝕まれていく…。
朝起きたら、顔色は悪く、目が充血してはいないでしょうか。
もしそうであるならば、もはやそれは情報中毒とも言えます。
すごく怖いことですが、人間が利益を追求するという資本主義経済とは、そういうものなのかもしれません。
情報を提供することに、お金が発生するシステムを結びつけてしまった以上、これからも、無限に情報は生み出され提供され続けていきます。
そして、この様な悩みというのは、一見、現代人特有の悩みのように思えます。
ですが、他者と比較することで生まれる悩みというのは、紀元前から存在するような書物にも書かれてあることです。
昔からあるような人間の悩みを、人間のテクノロジーによって、さらに加速させてしまったのが現代の情報化社会とも言えます。
膨大な量の情報を簡単に手にすることができるようなった一方で、他者との比較から生じる悩みの種類や量を爆発的に増やしてしまったとも言えます。
特に、個人が手軽に情報を発信できるようになったことで、比較対象となる他人の情報というものは、人間が一生に処理できるデータ量を考慮すると、ほぼ無限に増えたとも言えるのではないでしょうか。
私たちは、そんな社会との距離を調整しなければならない段階に来ているのかもしれません。
このような社会であったとしても、楽しく生きていける人もいます。
そのような人にとって他人の情報というのは、それほど害になることはないのかもしれません。
しかし、人は、疲れている時や元気がない時ほどマイナスの感情を抱きやすく、あらゆる情報がマイナスに変換されやすくなるため、そういう時は特に注意すべきではないでしょうか。
もし日々が辛く苦しいのであれば、少し距離を置く(情報を制限する)ことも必要なことなのではないでしょうか。
このように、睡眠障害の理由というのは個人の問題だけというものではなく、人類が自らその状況を作り出してしまっている可能性もあるとも言えます。
もしかしたら、人類は、運動、食事と次いで、睡眠までをも、自らの手で脅かそうとしているのかもしれません。
もちろん、人間の悩みというのは他者との比較によって生じるものだけではないため、悩みの原因が別にあった場合は、たとえ情報の制限をしたとしても眠れないとも言えます。
また、これから見る情報の制限はできたとしても、もうすでに心に深く刻まれてしまった他人の情報、それによって抱いてしまった感情や生まれてしまった欲というものは簡単に消すことはできません。
ただ、もし、あなたが情報を見ることに日々忙しくしていて、睡眠不足で体の様々な場所から不調が出ているのだとしたら、一度試してみる価値はあるのかもしれません。
あなたの抱える悩みの一部や体の疲れを、少しは少なくすることができるのかもしれません。
最近、様々な機器から音が流れないような本当に静かな夜を、そして穏やかな朝を、あなたは、いつ過ごしたでしょうか。
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine - / Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.
目次( p. 1 - 158 )
-
まえがき
p. 1 -
医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す。
p. 4 - 5 -
なぜ、薬が病気を治すと信じる世界になったのか?
p. 6 - 8 -
今、本来の概念に戻す時が来ている。
p. 9 - 11 -
病気を治せる薬は存在しない。
p. 13 - 15 -
薬を飲み続けても病気は治らない。
p. 16 - 17 -
病気が治るのを薬が邪魔することもある。
p. 18 - 20 -
薬は様々なリスクを伴う。
p. 21 - 23 -
現代医療の本質とは何か?
p. 25 - 27 -
現代医療の真意は、病気を止めること。
p. 28 - 29 -
現代医療とは、あくまでも病気を治すサポート。
p. 30 - 31 -
カラダをいじればいじるほど問題が起きる。
p. 33 - 35 -
あと、どれだけの薬を作り続けなければならないのか?
p. 36 - 38 -
医療が発展しないジレンマ。
p. 39 - 41 -
病気とは、異物。
p. 44 - 47 -
病気とは、体内システムの異常。
p. 48 - 50 -
病気とは、体の許容オーバー。
p. 51 - 52 -
なぜ、人は病気になるのか?
p. 53 - 54 -
問題の本質を解決するということ。
p. 56 - 57 -
自然界の状態に戻すということ。
p. 58 - 60 -
当たり前のことをするということ。
p. 61 - 63 -
世界最高のテクノロジーとは何か?
p. 65 - 67 -
人のもつ力が未来の医療を変える。
p. 68 - 70 -
未来のテクノロジーとは、概念そのもの。
p. 71 - 74 -
はじめに
p. 77 -
データを根拠にしない理由
p. 78 - 80 -
運動 ― 動物は、動くもの。
p. 81 - 84 -
食事 ― 命そのものを食べる。
p. 85 - 93 -
睡眠 ― 危険が無いから眠れる。
p. 94 - 100 -
自然環境 ― 過酷な環境が生命を強くする。
p. 101 - 103 -
病気になる最大の理由
p. 105 - 107 -
ストレスとは何か?
p. 108 - 112 -
ストレスと、どう向き合うべきか?
p. 113 - 132 -
はじめに【重要】
p. 135 -
第一節 いかにして戦わずに勝つか。
p. 136 -
第二節 勝つ意思のある者が勝つ。
p. 137 - 138 -
第三節 強い相手だと思ったら、戦わない。
p. 139 - 140 -
第四節 守りを固めて待つ。
p. 141 - 142 -
第五節 病気になった理由を考える。
p. 143 - 145 -
第六節 肩の力を抜いて、気楽に。
p. 146 -
第七節 治療をする場合は、一瞬で。
p. 147 -
第八節 ほんの少しの治療で止める。
p. 148 -
第九節 病気に止めを刺さない。
p. 149 -
第十節 病気と仲間になる。
p. 150 -
第十一節 治療をするか迷ったら。
p. 151 - 154 -
自分の病気を治すための最善の方法
p. 156 -
さいごに
p. 157 - 158
―
―
―
―
―
―
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine -
Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.