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睡眠 ー 危険が無いから眠れる。

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まるで、ここまで述べてきたような対策(応急処置)をとれば眠れるように語っていますが、話はそう簡単ではありません。

むしろ解決が非常に難しい問題のはずです。

運動もしているし…、ストレッチもマッサージもやっている…、夜眠る前には機器の画面は見ないようにもしている…。

すでに世間で提案される方法を試しているけれども、それでも眠れないから悩んでいるという人の方が多いのではないでしょうか。

結局、なぜ自分が眠れないのかというストレス(悩み)の原因は、なんとなく自分でもわかっているはずです。

このせいで眠れないという大きな何かがあるのではないでしょうか。

おそらく、その問題(ストレス)を何年も解決できないから悩んでいるはずです。

ただ、このような自身のストレスというのは解決が非常に難しいし、それを解決できない限り、睡眠障害の問題は根本的には良くならないのかもしれません。

それだけストレスというのは大きなテーマになります。

本章で語り切ることはできないため、ストレスに関しては次章で詳しく述べています。

この章では、ここまでの内容で、あえて止めておきます。



もちろん、睡眠薬のようなものに頼ることも一つの方法ですが、長期的な使用による体への影響を考えると、自然な方法にシフトしたほうがいいのかもしれません。

そもそも、多くの人は生まれながらに睡眠障害を持って生まれてきたわけではなく、子供の頃などは熟睡できていた記憶があるという人も多いはずです。

では、その熟睡できていたのは、枕やベッドが良かったからなのか、睡眠薬や心地よい睡眠を助けてくれると言われるような成分を飲んでいたからなのか、権威のある大学の研究成果から導かれた特殊な睡眠法を実践していたからなのでしょうか。

そうでは無いのではないでしょうか。

何も考えず、睡眠のために何も努力しなくても熟睡できていたはずです。

だとすれば、良い睡眠のためにしなければならないことは、熟睡できていた時と熟睡できない現状との違い(ズレ)を探し、そのズレを修正することではないでしょうか。

どうしても様々なものに頼らなければならない時はありますが、やはり応急処置をし続けるのではなく、根本原因を解決することも必要なことなのかもしれません。

自然界の動物が、身の危険を感じるのは天敵に襲われた時など一時的なものですが、人間が感じる身の危険というのは、逃れることが難しい不安や悩み事であると考えられるため、日常の中で不安や悩み事を考えている時は、常に身の危険を感じ緊張しているとも言えます。

社会の中で多くのストレスにさらされ、極度の慢性的な緊張状態にある現代人が眠れなくなることがあるのは、無理もない話なのかもしれません。

いかに現代人がリラックスできずにストレスがかかっているかを物語っています。

人類は、本当は、幸せになるために社会を発展させてきたはずです。

しかし、人間社会で受ける多様なストレスからくる不安や悩みによって睡眠障害に陥っている人は少なくありません。

豊かさを追求し続けてきた人類にとって本当の豊かさとは何でしょうか…。

進んできた道は正しかったのでしょうか…。

睡眠障害とは、何かを考えさせられるカラダからの一つのサインなのかもしれません。




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