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第十一節 治療をするか迷ったら。

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結果に対して、治療しておけばよかった…、治療しなくてよかった…という話はできます。

しかし、治療前には、一体どうなるのかというのは、自分も含めて他の誰にも分りません。

特に治すのが難しい病気ほど、どうなるのかは分かりません。

どちらがいいのかを確率的に予想することはできても、その予想は外れることはあります。

例えば、天気予報で、非常に高い確率で雨が降らないと思っていたのに、雨が降る様なものです。

本当に未来にどうなるのか、というのは誰にも分らないと言えます。

誰も未来のこと(ベストな選択)は分からないはずですが、治療するか迷っている人に対して、周りは、治療をした方がいい…、逆に治療をしない方がいい…、ともアドバイスや提案をすることがあります。

周りの人は、統計や確率(医学的根拠のある客観的データ)、自分の経験や考え方を元に、未来を予測しアドバイスをしています。

その言葉を信じ、その通りにして、もし病気が治らなかった時、あなたにアドバイスをした周りの人は、あなたにどんな言葉をかけるでしょうか。

いろんな言葉をかけてくれるかもしれませんが、あなたは、その言葉に納得することができるでしょうか。

あなたにアドバイスをした人は、どんなにあなたのことを思ってアドバイスをしていたとしても、誰も責任を取ることはできません。

それは、信用している家族や友人、信頼を置いている医師でさえ責任を取ることはできません。

思うように治らなかったからといって、誰も元の状態に戻すことはできません。

治らなければ、後悔するのは自分自身です。

結局は、自分自身で、どうするのかということを選ばなければならないのかもしれません。

なぜなら、もし選択が間違っていた時に、自分が信頼した人のせいにしたり、責めたりせずに、納得できる可能性が高いのは、自分で選んだ道であるからです。

自分で決めないと、それは言い訳や後悔の材料になるのではないでしょうか。

自分で選ぶ道というのは、人の数だけ存在するものですが、それは人によって、いろいろな考え方ができるからとも言えます。

例えば、もし、治療をせずに、自分の力で治そうとするのであれば、一番体力が残っている治療前が最も結果が出る可能性が高い。

だから、治療前に自分の体の可能性を信じて、できるだけのことをまずはしたい…。

自分の場合は、生活習慣を改善しても間に合いそうにないかもしれない。

だから、止むを得ず体を切除したり薬を飲んだりして、つらい思いをするかもしれないけど、とりあえず抱えている問題や不安を一旦取り除きたい…。

もし、治療によって体の一部を切除すれば、病気を一時的に回避できたとしても、以前との生活の質とのギャップを受け入れて生きていくことになる。

自分の場合は、それには耐えることができないと思うから、できるところまでは、治療をせずに自分自身の力で病気と向き合っていきたい…。




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