私たちが人間社会で食べているものというのは自然界のものとはかけ離れているため、それをできるだけ本来の自然な状態に戻すべきではないかという事を話してきました。
では、食に関して他に戻すべきことは無いのでしょうか。
自然の中で生活していた場合、その土地で採れるもの、その時期に採れる旬で新鮮なものしか食べることはできません。
さらに、自分で動いて狩りをしたり採集したものしか食べることはできず、自分で動いて手にした分量しか食べることはできません。
少ししか動かなければ少ししか食べることはできないし、逆に、たくさん食べようと思ったら、たくさん動く必要があります。
自然界のシステムでは、消費カロリーと摂取カロリーが非常に良いバランスになっていて、自然に食べ過ぎることがないようになっているとも言えます。
一方、人間社会のシステムではどうでしょうか。
人間社会で動くという事は、たくさん仕事をして稼ぐという事ですが、稼げば稼ぐほど、たくさん食べることができると言えます。
ところが、現代社会においての仕事というのは、ほとんど動かず、運動量を必要としない場合が多いのではないでしょうか。
つまり、それほど動いていない(カロリーを消費していない)にもかかわらず、カロリーの高いものをたくさん食べることができてしまっているとも言えます。
これは、自然界の状態からズレてはいないでしょうか。
だから、今の人間社会で生きる私たちは、自分が食べる量を調整することで、自然な状態に戻す必要があります。
自然界と同様に、たくさん動いた時はたくさん食べてもいいけれど、あまり動いていないのなら、たくさん食べるべきではないとも言えます。
「食べ過ぎない」という当たり前なことですが、これも非常に重要なことかもしれません。
そんなことは分かっていても、私たちは、ついつい食べ過ぎてしまうとも言えます。
なぜなら、人間社会において、食というものは大きな利益を生み出すものであり、社会は常に、おいしいものを提供し、商品を買ってもらえる様に、ありとあらゆる手を尽くそうとするからです。
食欲という本能に訴えかけ誘惑もするし…、だましていない様に見えてだましていることもあるし…、「これなら食べても大丈夫」という様なイメージを植え付けることもあるし…、感情を揺さぶることもあります。
とは言え、消費者も気づき始めています。
しかし、消費者が気づき始めていることも理解した上で、当然それらを考慮して企業は動きます。
大きな企業を動かしているのは、有名な大学を卒業したエリートの人たちであることが多く、私たち消費者が相手にしているのは、人類の数パーセントしかいないような頭のいい人たちです。
昔から人類は、人類同士で不毛な活動をし続けているのかもしれません。
さらに現代人は、日々のストレスも多く、誘惑に負けて、ついつい食べ過ぎてしまうのも無理もない話であるとも言えます。
また、今の人間社会において、食べ過ぎないという事は、添加物、農薬、薬剤といった人工の化学物質を体に入れすぎないことと同義であるとも言えます。
よく、あまり食べないことが、健康法として言われることがありますが、現代人にとっては、様々な観点から、その方がより自然界の状態に近いからではないでしょうか。
敢えて書く必要もないかもしれませんが、すでに痩せているのに食べ過ぎない等、食べ過ぎないことも度が行き過ぎれば、それは自然界とのズレであり、健康を害する原因にもなります。
勘違いしてはいけないのは、食べ過ぎてはいけないというのは運動量の少ない現代人における応急処置であり、本来は、適度に運動し、適度に食べるというのが最も自然な状態であり、それを目指すべきであると言えます。
ただ、今の人間社会では、食べれば食べるほど人工の化学物質を体内に少しづつ少しづつ入れることになる可能性が高いため、できるだけ自然界の状態に近いものを選んで食べておいた方がいいのかもしれません。
とは言え、先にも述べたように、私たちは美味しいものの味を知っている以上、美味しいものを我慢しすぎれば、それはストレスにもなるし、そんなストレス状況も、また、自然界とのズレとも言えます。
本当に難しい時代に私たちは生きているとも言えますが、そんな中で、できるだけ自分が健康になれる丁度良いところを見つけるべきではないでしょうか。
食に関して、自然界と人間社会のズレというのは、上記に挙げてきたものだけではなく、人によっても、それは異なってきます。
だからこそ、人によって、どのように対応していけばいいのかも変わってきます。
そして、人類の発展とともに時代によっても変わっていくものであり、その変化に応じて対応していかなければならないとも言えます。
いずれにしても、自身の食について、何が自然界の状態と比べてズレているのか…、どうすれば本来の状態に戻せるのか…、自分の状況における最善は何なのか…、という事を考える事が大切なことではないでしょうか。
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine - / Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.
目次( p. 1 - 158 )
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まえがき
p. 1 -
医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す。
p. 4 - 5 -
なぜ、薬が病気を治すと信じる世界になったのか?
p. 6 - 8 -
今、本来の概念に戻す時が来ている。
p. 9 - 11 -
病気を治せる薬は存在しない。
p. 13 - 15 -
薬を飲み続けても病気は治らない。
p. 16 - 17 -
病気が治るのを薬が邪魔することもある。
p. 18 - 20 -
薬は様々なリスクを伴う。
p. 21 - 23 -
現代医療の本質とは何か?
p. 25 - 27 -
現代医療の真意は、病気を止めること。
p. 28 - 29 -
現代医療とは、あくまでも病気を治すサポート。
p. 30 - 31 -
カラダをいじればいじるほど問題が起きる。
p. 33 - 35 -
あと、どれだけの薬を作り続けなければならないのか?
p. 36 - 38 -
医療が発展しないジレンマ。
p. 39 - 41 -
病気とは、異物。
p. 44 - 47 -
病気とは、体内システムの異常。
p. 48 - 50 -
病気とは、体の許容オーバー。
p. 51 - 52 -
なぜ、人は病気になるのか?
p. 53 - 54 -
問題の本質を解決するということ。
p. 56 - 57 -
自然界の状態に戻すということ。
p. 58 - 60 -
当たり前のことをするということ。
p. 61 - 63 -
世界最高のテクノロジーとは何か?
p. 65 - 67 -
人のもつ力が未来の医療を変える。
p. 68 - 70 -
未来のテクノロジーとは、概念そのもの。
p. 71 - 74 -
はじめに
p. 77 -
データを根拠にしない理由
p. 78 - 80 -
運動 ― 動物は、動くもの。
p. 81 - 84 -
食事 ― 命そのものを食べる。
p. 85 - 93 -
睡眠 ― 危険が無いから眠れる。
p. 94 - 100 -
自然環境 ― 過酷な環境が生命を強くする。
p. 101 - 103 -
病気になる最大の理由
p. 105 - 107 -
ストレスとは何か?
p. 108 - 112 -
ストレスと、どう向き合うべきか?
p. 113 - 132 -
はじめに【重要】
p. 135 -
第一節 いかにして戦わずに勝つか。
p. 136 -
第二節 勝つ意思のある者が勝つ。
p. 137 - 138 -
第三節 強い相手だと思ったら、戦わない。
p. 139 - 140 -
第四節 守りを固めて待つ。
p. 141 - 142 -
第五節 病気になった理由を考える。
p. 143 - 145 -
第六節 肩の力を抜いて、気楽に。
p. 146 -
第七節 治療をする場合は、一瞬で。
p. 147 -
第八節 ほんの少しの治療で止める。
p. 148 -
第九節 病気に止めを刺さない。
p. 149 -
第十節 病気と仲間になる。
p. 150 -
第十一節 治療をするか迷ったら。
p. 151 - 154 -
自分の病気を治すための最善の方法
p. 156 -
さいごに
p. 157 - 158
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Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.