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データを根拠にしない理由

p. 80( p.78 - 80 )




もし、仮に健康に関するデータを引用し、身体に良いということを幾つも列挙したとして、それらを覚えきることはできるでしょうか。

自分が興味を持ったことは覚えることができるかもしれませんし、初めのうちは自身のライフスタイルに取り入れたりすることもできるかもしれません。

ですが、時間が経てば忘れてしまい、いつもの日常に戻っていく人も少なくはないのではないでしょうか。

また、データから導き出された結論が、本人の体に合わなかった場合、逆効果になることもあります。

そのため、もっと本質的な考え方を自身の中に持っておく方が良いのではないでしょうか。

では、どうすれば人間の健康条件に関して、より真理に近いものにたどり着くことができるのでしょうか。

まず、現状で健康に良いと言われている概念が、ある一時期の考え方でしかないということを認識しておく必要があると言えます。

例えば、今から50年前の健康に関する過去の認識というのは、間違っていることが多々ありますが、それは、その後の50年間で多くのことがわかってきたからと言えます。

様々な研究によって人体に関する新しい情報が発見されるからこそ、導かれる答えというのは変わります。

人類の歴史は、誤解に次ぐ誤解を修正してきたとも言えます。

ということは、逆に今から50年後の未来の人類から見れば、今この時点における現代の認識でさえ間違っている可能性は十分にあるとも言えます。

つまり、間違っている可能性があるのであれば、現状の認識を絶対的な指標として、健康に関して考える必要性は無いということです。

もっと簡単に言えば、現状の常識にとらわれて考えていく必要はなく、自由に思考すればいいということになります。

ただ、これから102年後、200年後でも通用するようなものを考えようと思ったら、遠い先の未来においても絶対に変わらないような指標を軸に、物事を考えていかなければならないと言えます。

時間の経過とともに絶対に変わらないものとしては、「人間は動物である」という事が一つ挙げられます。

であるのなら、「動物が健康であるのは、なぜなのか」という事にフォーカスして考えていけば、より真理に近いものにたどり着くことができるのかもしれません。

人間(動物)の健康条件というものを考えた時に、その前提条件は「自然界におけるライフスタイルそのものである」というのが、おそらく正しいものであると筆者は考えています。

つまり、いかに自然の理(ことわり)を満たしているのかということが重要なキーワードになるのではないでしょうか。

そのような観点から、健康の大きな条件項目である、運動、食事、睡眠、ストレス、自然環境に関して以下に述べていきます(ストレスに関しては次章に記載)。

そして、筆者が述べることは、必ずしも正解であるわけではなく、考え方を強要するものでもありません。

一つの考え方としてとらえ、自分なりの思考を持つための、きっかけや材料にしてほしいと考えています。

個人によって、直面する健康問題は異なります。

どうすれば健康に戻ることができるのかということも、人によって違います。

その際に、自分自身で考え、対応していく力を身につけておくことが最も大切なことではないでしょうか。

また、以下に長々と詳細に文章を綴っていきますが、そのすべてを細かく一つ一つ覚える必要性はありません。

結局、長い文章の中で言いたいことは、たった一つです。

健康にとって必要な事とは、「自分のライフスタイルが自然界のライフスタイルと何が違うのかを自分自身で考え、そのズレを試行錯誤しながら自分で修正していく」ということだけです。




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