薬や手術などの現在の治療法は病気を治すために発展させ続けてきたものであり、それは病気と闘うための戦術と言えるものです。
戦術を少しずつ変えながら、もっと上手くいく戦術はないかと模索し、いくつもの病気を治してきましたが、現状の戦術では、どうしようもない壁にぶつかっている病気もあります。
戦術で攻略できないのであれば、戦略そのものを変えなければなりません。
例えば、日常の中において、全然うまくいかない状況であっても、それまでとは根本的に異なる概念でアプローチをすれば、問題が解決する、ということはよくあることです。
戦術ではなく、その上位階層である戦略的な次元における概念を、変える必要性があるのではないでしょうか。
現状の戦略概念とは、「人間の体を人間の手によって、いじることで病気を治そう」と試みるものです。
そうではなくて、「カラダ自身に病気を治させる」という概念に切り替えなければならないのかもしれません。
いつの時代も、大きな変革をもたらすのは単一のテクノロジーではなく、概念の転換そのものにあります。
概念が変われば、それに応じてテクノロジーは後からついてくるとも言えます。
例えば、1万2千年前に起きた農業革命は、それまでの「移動しながら狩猟採集する」という概念から、「農業によって定住する」という概念へ切り替えが行われました。
それによって、農業を、より効率的に行えるように道具や技術も発展していきました。
食料を確保し、生活が安定することによって人類の人口は大きく増えはじめ、多くの人々を取りまとめる必要性も出てきました。
そして、共通認識となる神という存在や、貨幣や王国、宗教というシステムも構築されていきました。
また、5百年前に起きた科学革命では、それまでの「自分たちが考えていることが、この世のすべて」という概念から、「無知を自覚する」という概念に切り替わりました(1)。
世界は平面ではなく、地球は丸いものであり、その地球は宇宙に存在する惑星の一つである、というように、観察と思考や実験によって、本当はどういうことなのかを、人類は自分たちで解明するようにもなります。
様々なことを解き明かしていくことで、産業革命が起きたり、核兵器もできたり、薬もできてきたと言えます。
概念が変われば、その概念を元に、様々な人が新たなテクノロジーを勝手に生み出していきます。
様々な新しいテクノロジーは、大きな概念の転換によって自然に生まれてきたものではないでしょうか。
現代医療においても、大きな概念の転換を行うことで、より大きな発展を遂げることができるのかもしれません。
さらに、概念の転換によって不要な問題を解決できる場合もあります。
例えば、大昔に存在していた「生け贄」という慣習が例として挙げられます。
生け贄としては動物の体だけではなく、人間の体そのものが最上級の供物としてささげられることもありました。
雨が降らず作物が育たないのは、神がお怒りであるから、その怒りを鎮めるために生け贄をささげる…。
災害が起きているのは、自然が飢えて生け贄を探し求めて猛威を振るっているので、その災害の発生を未然に防止するために生け贄をささげる…。
今の時代において、上記のような理由で多くの命を救うために自分の家族の命を生け贄にささげてくれる人はいません。
なぜなら、私たちは、生け贄をいくらささげようが、雨は降らないし、自然災害を未然に防ぐことなどはできないという事を知っているからです。
雨は降る時は降るし、自然災害は起こる時は起こる。
雨や自然災害は、誰かのせいなどではなく、地球表面上で起こるただの自然現象にすぎません。
ところが、大昔の人々には、その考え方(概念)は存在しておらず、まだ何も気づいていない状態です。
だから、大切な家族の命をささげることで、多くの村人の命を救うことができるのなら…と言って、問題が解決するまで無意味に命を殺すことを繰り返すこともあります。
生け贄で天候や災害をコントロールするというような全く不可能なことをしようとしているとも言えます。
こんなにむなしくて、辛く悲しいことはありません。
しかし、現代の私たちと同じ概念を村人の多くの人が共有できていれば、そんなことをする必要は無かったのではないでしょうか。
当時の人類は、自分たちで勘違いして、勝手に問題を作り上げ、勝手に苦しんでいたとも言えます。
でも、他に方法が無いと信じ込んでいるため、自分たちで生み出した方法にこだわり続けていたのかもしれません。
ここで、話を少し前に戻します。
人間の体には病気を治す力があるため、その力を利用して現代医療は病気を治そうとしていますが、なかなか上手くいかないのが現状です。
薬という方法でカラダをいじっても、よく理解できていないカラダをいじっているため上手くいきません。
では、この問題を考え方(概念)で解決することができるのでしょうか。
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine - / Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.
目次( p. 1 - 158 )
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まえがき
p. 1 -
医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す。
p. 4 - 5 -
なぜ、薬が病気を治すと信じる世界になったのか?
p. 6 - 8 -
今、本来の概念に戻す時が来ている。
p. 9 - 11 -
病気を治せる薬は存在しない。
p. 13 - 15 -
薬を飲み続けても病気は治らない。
p. 16 - 17 -
病気が治るのを薬が邪魔することもある。
p. 18 - 20 -
薬は様々なリスクを伴う。
p. 21 - 23 -
現代医療の本質とは何か?
p. 25 - 27 -
現代医療の真意は、病気を止めること。
p. 28 - 29 -
現代医療とは、あくまでも病気を治すサポート。
p. 30 - 31 -
カラダをいじればいじるほど問題が起きる。
p. 33 - 35 -
あと、どれだけの薬を作り続けなければならないのか?
p. 36 - 38 -
医療が発展しないジレンマ。
p. 39 - 41 -
病気とは、異物。
p. 44 - 47 -
病気とは、体内システムの異常。
p. 48 - 50 -
病気とは、体の許容オーバー。
p. 51 - 52 -
なぜ、人は病気になるのか?
p. 53 - 54 -
問題の本質を解決するということ。
p. 56 - 57 -
自然界の状態に戻すということ。
p. 58 - 60 -
当たり前のことをするということ。
p. 61 - 63 -
世界最高のテクノロジーとは何か?
p. 65 - 67 -
人のもつ力が未来の医療を変える。
p. 68 - 70 -
未来のテクノロジーとは、概念そのもの。
p. 71 - 74 -
はじめに
p. 77 -
データを根拠にしない理由
p. 78 - 80 -
運動 ― 動物は、動くもの。
p. 81 - 84 -
食事 ― 命そのものを食べる。
p. 85 - 93 -
睡眠 ― 危険が無いから眠れる。
p. 94 - 100 -
自然環境 ― 過酷な環境が生命を強くする。
p. 101 - 103 -
病気になる最大の理由
p. 105 - 107 -
ストレスとは何か?
p. 108 - 112 -
ストレスと、どう向き合うべきか?
p. 113 - 132 -
はじめに【重要】
p. 135 -
第一節 いかにして戦わずに勝つか。
p. 136 -
第二節 勝つ意思のある者が勝つ。
p. 137 - 138 -
第三節 強い相手だと思ったら、戦わない。
p. 139 - 140 -
第四節 守りを固めて待つ。
p. 141 - 142 -
第五節 病気になった理由を考える。
p. 143 - 145 -
第六節 肩の力を抜いて、気楽に。
p. 146 -
第七節 治療をする場合は、一瞬で。
p. 147 -
第八節 ほんの少しの治療で止める。
p. 148 -
第九節 病気に止めを刺さない。
p. 149 -
第十節 病気と仲間になる。
p. 150 -
第十一節 治療をするか迷ったら。
p. 151 - 154 -
自分の病気を治すための最善の方法
p. 156 -
さいごに
p. 157 - 158
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