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当たり前のことをするということ。

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病気は自分自身で治す必要性があるということを、誰かが教えてくれるかというと誰も教えてはくれません。

学校で教えてくれないことを社会に出てから学ぶということもあります。

逆に、社会ですべてが学べるかというと、そうでもなく、場合によっては教えることができないこともあります。

人生において、なぜ、こんなに大事なことを教えてくれなかったのかと、大人になってから思うようなことも少なくはないのではないでしょうか。

ただ、誰に対しても、自分の本音を打ち明けることができるのかというと、そうではないのではないでしょうか。

自分にとって都合がよくない場合は、自分の本音を伏せるという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

それは社会も同じです。

今の医療は、患者に対して、病気を治すために薬や手術などの治療をするということをメインに提案するものです。

それが現代医療の現在のシステムです。

本音では、人間のカラダが病気を治すということを、医療を提供する側が十分理解していたとしても、建前もあれば本音を押し殺して形式的に決まりきった流れを提案しなければならない時もあります。

だからこそ、医療を受ける側が、様々なことを汲み取る必要があります。

なぜ、患者が、わざわざそんなことをしなければならないのか…、と思う人もいるかもしれません。

しかし、複雑に入り組んだ人間社会には、特有の事情があります。

例えば、集団の中で主流となるものに対して反対意見を言うことは、ものすごく大変なことであるというのは簡単に想像がつくのではないでしょうか。

組織の方針が正しくないのではないかと自分が思ったとしても、個人の立場では何もできないことは少なくはありません。

資本主義において発展してきた現在の医療システムは、時と場合によっては、純粋に患者の利益だけを追求するものには、成り得ないとも言えます。

これは、医療に限ったことではなく、人間社会共通の話ではないでしょうか。

今の資本主義社会というものは、「お金をもっと稼ごう、そうすれば幸せになれる」というストーリーを誰もが信じている世界です。

もはや、患者第一ではなくなってきているのではないでしょうか。

もちろんお金がすべてではない、ということは誰もが気づいているし、今のやり方が正解であるとは思っていないはずです。

しかし、今の社会がベストではないけれども、現状それに代わるものがない以上、今のやり方を続けざるを得ないというのも事実です。



このような時代の中で、私たちはどのように病気を治していけばいいのでしょうか。

一言で病気といっても、千差万別であり、人によって状況は全く異なります。

薬を飲んだり、手術をしたりした方がいい場合もあれば、何もせず、ライフスタイルの改善を行うことがベストという場合もあります。

つまり、こうした方がいいと断言するということはできません。

誰もが自分の病気を治す一番良い方法を知りたいと思うものですが、人間のカラダがすべて理解できていない以上、ベストな方法を誰も知らないとも言えます。

薬や手術などの現代医療が病気を治す、というストーリーを、世界は今信じていますが、もちろん、それがベストというわけでもありません。

結局は、自分自身で最善と思うことを選択していかなければなりません。

何もわからなければ自分の考えを持てずに、完全に社会にまかせることになります。

用意された社会システムの中を、ただ流れていくだけになります。

いろんなことを知り学び深く考えることで、自分なりの選択ができるようにもなります。

病気を治す上で大切なことは、自分自身の考え方をもつということなのかもしれません。

自分のカラダを深く理解し、一番大切に考えることができるのは自分自身なのではないでしょうか。



本章では、病気を治すためには、ライフスタイルの改善という当たり前のことが必要であるということを述べてきました。

では、これから確立されるであろう未来の医療テクノロジーとは、一体何なのでしょうか。




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