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病気とは、体内システムの異常。

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現代において、癌になる人も、アレルギーになる人も、同じように増え続けています。

どちらも全く違う病気とも言えますが、この2つの病気に相関性はないのでしょうか。

根本的には、どちらも免疫という体内システムに大きく関係の深い病気であると言えます。

癌の場合は、免疫システムが機能はしているけれども、その能力が弱っていることで日々生まれるガン細胞を除去できずに癌を成長させてしまう病気と言えます。

では、この癌患者のTh1/Th2バランスはどうなっているのでしょうか。

実は、アレルギーの人と同じように、Th1 < Th2(Th1が弱い状態)になっています(1)

Th1(細胞性免疫)は、癌細胞を攻撃・除去するために重要な免疫ですが、癌患者の人は、その重要な免疫が弱っている状態です。

結局、癌の人もアレルギーの人も、同じような免疫システムの異常(バランスの崩れ)をもっているとも言えます。

同じシステム異常であるのであれば、見方を変えれば、アレルギーの人は癌になりやすいとも考えられます。

ただ、アレルギーの人は癌になりにくいという矛盾する報告もあります(2)

また、逆に言えば、癌の人はアレルギーになりやすいとも言えますが、癌になったからといって急にアレルギーになるわけでもありません。

先にも述べたように、現状の知識だけで状況を説明するのは、非常に難しいと言えます。

人類が理解している事というのは、免疫というシステムの、ほんのわずかな側面にすぎないのかもしれません。

しかし、癌とアレルギーになる人が同じように増え続けているという事実に何の関連性もなく、偶然起きていると考えるのには少し無理があるとも言えます。

やはり、現代人の免疫システムに、何らかの異常な状態が起きているということは確実なことなのかもしれません。



このように、免疫システムというのは、病気の発生に深く影響している要因と言えます。

では、免疫が要因ではない病気というのは、どういうものがあるのでしょうか。




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