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カラダをいじればいじるほど問題が起きる。

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よく分かっていないのであれば、少しだけカラダをいじればいいわけですが、少しで済まないのが現代医療ではないでしょうか。

ほんのわずかな変化であれば問題ないのかもしれません。

しかし、そのわずかな変化を体に与えたとしても、その結果、病気が治らなければ、人はどうするでしょうか。

医師も患者も状況が良くならないことに不安を感じ、病気を治すために治療を重ね、カラダをどんどんいじっていくのではないでしょうか。

治らなければ、再度いじる…。

それでも治らなければ、さらにいじる…。

最後には、もういじることができない状態になり、もう何も手が無くなってしまうということも少なくはありません。

何もしないよりは、何かした方がいいと思うのは、人間の性であると言えます。

副作用の強い薬を投薬したり、手術をしたりしなければならないような大きな病気だけではなく、ほんの些細な怪我でも何かしなければ、と思うのではないでしょうか。

例えば、擦り傷を負った時に、消毒しなければ…、絆創膏を貼らなければ…。

何か手を加えることで治しているつもりが、逆に体が治すのを邪魔してしまっていることもあります。

擦り傷から侵入する細菌を除去しようと免疫細胞が患部に集まってきますが、薬品で消毒をすることにより、細菌と一緒に傷の修復に重要な免疫細胞までも弱めたり殺してしまったりしてしまう事もあります。

何もしなければ、自然に乾燥することで、血が固まりカサブタができ、細菌が侵入できない防御壁が出来上がりますが、絆創膏を貼ればカサブタはできにくくなります。

人間のカラダは、何か問題が起きた時に、特別なことをしなくても、自身の問題を解決できるようなシステムが存在しています。

傷口を水で洗い流すといった最低限の処置をした後は、何もせずカラダに任せることが最善の方法になるとも言えます。

擦り傷のような怪我と、死に至るような大きな病気を一緒に考えるのはどうなのだろうか、と思う人もいるかもしれませんが、両者が別だと考えること自体が間違っている可能性も無いわけではありません。

体の自己修復機能について102%理解しているわけではないのに、現状の常識で決めつけてしまうのはどうなのでしょうか。

もしかすると、状況によっては、本当に何もしなくても、体にまかせていれば治ってしまうこともあるのかもしれません。

何かしなければ病気は治らないと人類独自の考えで判断し、カラダをいじることで問題を解決しようとしているのが、今の現代医療なのではないでしょうか。

たとえ、体をいじったとしても、それで問題が解決するのであれば、それでもいいと言えます。

しかし、解決しないからと言って、どんどん体をいじっていき、最終的には治療で受けた傷みを緩和するしかないというような状況に行き着くのはどうなのでしょうか。

よくわからない体をいじることは、ある程度にしておかなければ、誰もが同じ場所に行き着くのかもしれません。

手術や薬が必要ないわけではなく、必要な場面は当然あります。

ただし、現在の人類の知識レベルは、「カラダをいじりすぎることによって、問題を生じることを避けることができない」というレベルであることを認識しておくことは重要なことではないでしょうか。



現代医療の問題点の一つは、上記に挙げたように、体をいじればいじるほど問題が起こるというものです。

ただ、現状の医療概念は、体をいじることで病気を治そうとするものであるため、これからも薬は作り続けられると言えます。

では、この薬というものを、人類は、あとどれだけ作ればいいのでしょうか。

どこかで終わりは来るのでしょうか。




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