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現代医療の本質とは何か?

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また、現代医療とは、「カラダをいじること」によって病気を治そうと試みてきたものであるとも言えます。

薬を使って体の秩序を変えたり、手術によって体を物理的に変えたりするなど…。

いずれにしても、何かしらの変化を体に強制的に与えることによって病気を治そうとするものです。

当たり前のことですが、何も体に変化を与えずに、病気を治すことはできません。

変化を与えるからこそ、その結果として病気が治るという変化が起こると言えます。

ただし、変化の与え方というものには様々あります。

例えば、子どもに勉強をさせたいと思った時に、机に座らせて強制的に勉強をさせることもできるし、勉強することの意味や勉強をしなかった時のデメリットなどを説くことによって、子どもに自発的に勉強をさせる、というやり方もあります。

変化というものの与え方が、「体が自発的」ではなく、「体に強制的」に変化を与えるのが現代医療と言えます。

ただ、カラダに何かしらの変化を与える手段として、薬や手術のようなものだけしかないわけではありません。

例えば、運動をしたり、バランスのとれた食事をしたり、十分な睡眠をとったり、ストレスを発散しても、体に自発的な変化を起こさせることもできると言えます。

しかし、大きな病気で病院に行った際に、「病気を治すために運動をしてください」とだけ言われて帰されるという患者は少ないのではないでしょうか。

現代医療において治すのが難しい病気の場合は、薬や手術など、体に何かしらの変化を強制的に与えて病気を治そうとします。

なぜなら、「人間の体が病気を治す」という概念を捨てて、「人間の手によって病気を治す」という新しい概念により発展させ続けてきたものが現代医療であるからです。

この、人間の手によって病気を治すという概念そのものが、現代医療の本質とも言えるのかもしれません。



これまで、複雑すぎて、よくわからない人間の体を、薬を投与したり手術をしたりしながら、多くの人のカラダをいじり何度も試行錯誤することによって病気が治る方法を探し続けてきました。

今を生きる私たちは、過去の人たちの失敗や成功体験によって進歩した医療を受けることができ、私たちの失敗や成功体験も次の世代の医療へとつながっていきます。

それはまるで、子どもが難解なパズルを解くかのような行為と言えるのかもしれません。

やり方がわからないなりに、少しずつ、いじり方を変えながら、元に戻せる方法を見つけていきます。

解くことのできたものもあれば、いまだに解くことのできないものもあります。

解き方がわかれば、簡単に病気を治せるような気もします。

しかし、人間のカラダは十人十色であり、同じやり方が通用する場合もあれば、そうでないこともあります。

だからこそ、病気を治すという事は、非常に難しいものであると言えるのではないでしょうか。

人によっては、薬は病気を治してくれる魔法のようなものであったり、手術を成功させる医師は神様のような存在であったりもします。

それは、まるで華麗な手品のようなものです。

ただ、実際の医療とは、よくわからない中で試行錯誤しながら、何とか病気を治そうとしてきた事すべての集合体であると言えるのかもしれません。

魔法のような手品にはトリック(仕掛け)があるように、病気を治す薬や治療法にもトリックはあります。

トリックがあるということは、逆に言えば何でもできるというわけではないという事です。

医療というものが素晴らしいものであるということは誰もが理解していることですが、決して完璧なものではないということも理解しておくべきことなのではないでしょうか。

では、現代医療の真意とは一体なんなのでしょうか。




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