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病気が治るのを薬が邪魔することもある。

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人類が作り続けてきた薬とは一体何なのでしょうか。

つらい症状は止めてくれるけれど、病気を治そうとするカラダの働きも止めてしまう。

早く治したいのに、病気が治るのを邪魔してしまっていることもある。

人類は何を作ろうとしているのでしょうか。

人類が作り出した薬は、病気を治すものではなく、病気の症状や進行を止めることで人のカラダが病気を治すのをサポートするためのものです。

薬を作り始めた当初の人々の願いというのは、「病気を治すことのできる魔法のようなものを作り出す」ということであったとも言えます。

ただ、見方を変えれば、その願いを叶えるものを人類は幾つも作り出したとも言えます。

薬を飲むことで、病気のつらい症状は一時的に止まります。

病気のつらい症状が無くなれば、人々は病気が治ったと思います。

実際には病気を治すものではなかったとしても、人々の中で病気を治すものであると認識して使っているのであれば、それは病気を治すものであると言えます。

人々は当初願っていたものを手にすることができているのかもしれません。

本人が正しいと思っていることが正しいものになる。

多くの人が正しいと思っていることが常識になる。

かつて地球が丸いとは誰も思ってはいませんでした、誰もが平らなものであると考えていました。

常識から逸脱した考え方は、いつの時代も否定されるものですが、いつも常識が正しいとは限らないことも歴史は証明しています。

みんなで正しいことを考えている時もあれば、みんなで間違ったことを考えている時もあります。

みんなで間違った考えをしている時は、後世から見れば間違っていたとしても、その時代においては間違いではない時もあります。

それが人類の繰り返してきた歴史ではないでしょうか。

もちろん、人類の生み出してきた薬そのものを否定しているわけではありません。

なぜなら、薬のサポートによって病気を治すことができる場合もあるからです。

ただ、現代の私たちが薬に対して抱いている感覚というのは、本当に正しいものなのでしょうか。

もしかしたら、少し誤解している部分もあるのかもしれません。




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