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病気が治るのを薬が邪魔することもある。

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このように、病気になった際に引き起こされるカラダの諸症状というのは、病気を早く治そうという一つの目標に向かって、様々なカラダの細胞が連携し合うことで引き起こされています。

すべての反応が目標を達成するために、はじめからカラダが意図的に引き起こしている反応であるとも言えます。

ということは、カラダの諸症状を薬で強制的に阻害するということは、カラダが病気を治そうとするのを逆に邪魔することになるとも言えます。

つまり、邪魔をするということは、病気が治るのが遅くなってしまうということになります。

薬は、病気のつらい症状を止めてはくれますが、逆に病気が治るのを遅くしてしまう事もあります。

症状がつらい時は薬の力で症状を止める必要性はありますが、我慢できる程度であれば、我慢して、すべてをカラダに任せてしまった方が病気は早く治るとも言えます。

薬を使用し、つらい思いを無くして早く治そうとしているつもりが、つらい思いを長引かせているという皮肉な話でもあります。

何でもかんでも薬を飲むことが最善策とは限らない、薬を飲まない方がいいという時もあります。

自分が病気で困っているのに薬を処方してくれない医師に対して、疑問に思う時もあるかもしれませんが、処方しない時は、それなりの意図があるとも言えます。



病気になり、つらい症状が出ると、何か対策をしないといけないと普通は思います。

患者の頭の中には「薬が病気を治してくれる」という常識が存在するため、すぐに薬を飲まなければならないと考えてしまいます。

しかし、つらいと認識している時点で、体の中では様々な細胞が病気を治そうと既に動き始めています。

この段階で薬を飲むと、つらい症状は止まりますが、同時に病気を治そうとするカラダの働きそのものも止めてしまう事になります。

つらい症状が一時的に消えるため、患者の頭の中では病気が治ってきている感覚になります。

ただ、実際には何も良くなっているわけではなく、病気を治そうとする働きを邪魔されたカラダが、必死になって病気を治そうとしている最中であるとも言えます。

カラダにはカラダのやり方があります。

もしかすると、カラダは余計なことをしないでほしいと思っているのかもしれません。

そして、自然なままに身を任せることが最も効率的に早く病気を治すことなのかもしれません。

もちろん、緊急の場合や病気の状況などによっては、薬によって病気の症状や進行を一時的に止めなくてはならない時もあります。

我慢したほうがいいと言って、ずっと我慢するのではなく、病院に行かなければならない時は当然あります。




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