TOP > 未来医療 > p. 10

今、本来の概念に戻す時が来ている。

p. 10( p.9 - 11 )




理想とする未来の医療にたどり着くのを邪魔しているのは、人間のエゴだけではありません。

今の現代医療が生み出されている原因は、薬を開発する研究者や、医療を提供する側の問題だけではなく、医療を受ける側にも問題があるのかもしれません。

医療を作り出すのは製薬会社や医師であり、一般市民は関係ないのではないか、とも一見思えますが、実際にはそうではありません。

例えば、なぜ製薬会社は薬を作るのか…。

当たり前のことですが、それは、資本主義社会において薬が売れるからです。

なぜ、薬が売れるのか、それは医師が買うから…。

なぜ、医師は薬を買うのか、それは患者が薬を求めるから…と言えます。

大きな病気になった時に、治る薬があるのなら多少副作用があったとしても、本当は治る薬など元々は無かったとしても、少しでも希望のあるものを患者は求めています。

つらく苦しい思いを早く楽にしてくれるものを求めています。

なぜなら、患者の頭の中には、「薬や治療をしさえすれば、病気は治る」、「薬を飲むこと、治療をすることが病気を治すこと」というような、ゆるぎない概念が存在するからです。

もし、このような概念が存在していなければ、もし、「人間のカラダが病気を治す」という過去の概念のままであれば、これほど薬を求めることは無いのかもしれません。

しかし、現代社会において、常識と呼ばれるものが多くの人々の共通概念になります。

人々が新薬を求め続けることは避けられず、資本主義社会において、需要と供給が上手くかみ合っている限り、薬は作られ続けると言えます。



つまり、人々の考え方(常識)が変わらない限り、もしくは、医療に求めるものが変わらない限り、本当に大きな変革は起こらないとも言えます。

逆に言えば、世界中の人々の、病気や医療に対する概念が変われば、社会の構造上、自然に、人々が求める姿に社会は変わっていく可能性もあるのかもしれません。

もし、私たちの求める未来の医療が誕生するとしたら、それは、「人間の手で病気を治す」という概念で生み出された画期的な薬や治療技術ではなく、「人間のカラダが病気を治す」という概念により生み出される何かではないでしょうか。




未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。

The Medical Future - Self-Care Medicine - / Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.

目次( p. 1 - 158 )