人間が病気になる後天的な理由は非常にたくさんあります。
体内の異物(ガン細胞、血管の詰まり、病原体など)を除去する免疫システムが弱ってしまうと病気になる…。
その免疫システムが異常を起こしても病気になる…。
免疫システムだけでなく、体内の様々なシステムの許容範囲を超えても病気になる…。
この他にも、多種多様な要因が存在しますが、結局は、体のシステムが正常に働かないことによって、人間は病気になると言えます。
では、正常に機能しない状態は、一体なぜ起こるのでしょうか。
それがわかれば、人間がなぜ病気になるのかが、見えてくるのかもしれません。
複雑な機能をもつものには、「動作環境」というものがあります。
動作環境とは、ソフトウェアや周辺機器が、正常に動作する上で要求される必要最低限の条件のことです。
いつ、どのような状況下においても正常に動くというわけではなく、正常に動作させるためには、それなりの条件が必要になるということです。
人間のカラダは、非常に複雑な無数のシステムによって動いており、まるで高度な精密機器とも言えるものです。
つまり、最低限の条件を満たせていなければ、問題(病気)が生じたとしても、何も不思議なことではありません。
商品パッケージに記載された動作環境を守らずに、ユーザーが商品を使用し、問題やトラブルを起こすようなことと同じと言えます。
人間も含め、自然界に生きる動物の体には、商品パッケージのように、必要とされる動作環境が当然書かれているわけではありません。
もし、書かれていたとしても、ヒト以外の動物には、それを理解する知能もありません。
動物たちは、ただ自然の中で、何も考えずに生きているだけであるとも言えます。
動物たちは、何の条件も守ろうとしているわけではありません。
それでも、自然界に生きる動物は、なかなか病気になることはありません。
これは、体内システムが必要とする最低限の条件を、無意識の内に守ることができているとも考えられます。
では、動物を健康な状態に保っているのは一体何なのでしょうか。
そして、人間という精密機器の動作環境とは何なのでしょうか。
当たり前のことですが、人間は動物であり、本来は自然の中で生活するべき生き物です。
つまり、他の動物たちと同じように、人間の動作環境というのも、「自然界での生活そのもの」ということが言えます。
複雑で多様な体のシステムというのは、長い年月をかけて何度も何度も進化を繰り返しながら、今の状態にたどり着いたものです。
その進化を促したのは、自然界での生活そのものであり、自然界でのライフスタイルが、体のシステムを正常に機能させるための「前提条件」になっていると考えることもできます。
動物は、自然界の過酷な条件において生き延びているからこそ、病気にならないような高い生命力を維持することができているのかもしれません。
逆に、前提条件を満たせないのであれば、健康を維持することができないとも言えます。
現代人のライフスタイルは、自然界のものとは、どんどんかけ離れたものになってきています。
人間のカラダを正常に機能させるための必要最低限の条件を、どんどん満たすことができなくなってきているとも言えます。
自然界の生活とは過酷で不便で貧しいものです。
だからこそ、人間は便利さや豊かさを追求し続けてきました。
どんどん運動をしなくても生活できるようになり、保存のきく様々な加工食品を食べることができるようにもなりました。
一方で、睡眠不足や人間関係、金銭的なストレスに頭を悩ますようにもなりました。
気づけば、人類は、自然界とは全く異なるライフスタイルを送るようになってしまったのではないでしょうか。
それにより、自然界の理(ルール)から外れすぎてしまったことによって、健康の前提条件を満たせなくなり、体のシステムは正常な動作を保てなくなり、人類は様々な病気に苦しむようになってきているのかもしれません。
昔の人に比べて、近年の病気になる人の増え方は異常であるとも言えます。
病気になる人が増えたのは、医療の発展で死ぬはずだった人が助かり、そもそも寿命が大きく伸びたりしたことも要因として挙げられますが、長寿であっても病気にならない人はいます。
やはり、多くの現代人の生活そのものが、自然界での生活のボーダーラインを越え始めてきているということなのではないでしょうか。
もうそろそろ、人類が便利さや豊かさを追求することが、自然界のルールから外れることであり、それは同時に、自身の健康を脅かすことにもなるということを認識すべき時が来ているのかもしれません。
もしかすると、人類の発展によって最大のメリットを得られる時期というのは、すでに過ぎてしまっているのかもしれません。
人間のカラダそのものが、人類の発展(自然界とのズレ)についてこれないとも言えます。
ものには、ちょうどいいという所があります。
食べ物やお酒でも、適度であれば幸福感やストレスの発散になったりしますが、度が過ぎると、不快感や、健康を害することもあります。
人類の発展は、自然界から離れていくことですが、逆に少し戻すことが、次なる発展における一つのキーワードになるのかもしれません。
動物の場合は、何も考えなくても、自然界が健康を保とうとしてくれるけど、人間の場合は、自然界のルールをほとんど無視した生活をしているから、何も考えずに生活していると健康を保てないとも言えます。
今の人類が健康を保とうとするのであれば、自分で考えて自身のライフスタイルを自然界の状態に意識的に近づけてあげないといけないのではないでしょうか。
自然界と人間社会は、全く別の世界とも言えます。
自然界のルールを無視した生活をしている人がマジョリティ(多数派)で、自然界に近い生活をしている人がマイノリティ(少数派)とも言えます。
なぜ、人類の多くの人が病気になっているのか、その理由が見えてはこないでしょうか。
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ここまでで、病気とは何なのかということが、なんとなくイメージできたのではないでしょうか。
では、病気を治すということは一体どういうことなのでしょうか。
未来医療 人のもつ力が未来の医療を変える。
The Medical Future - Self-Care Medicine - / Copyright © John S. Doe All Rights Reserved.
目次( p. 1 - 158 )
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まえがき
p. 1 -
医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す。
p. 4 - 5 -
なぜ、薬が病気を治すと信じる世界になったのか?
p. 6 - 8 -
今、本来の概念に戻す時が来ている。
p. 9 - 11 -
病気を治せる薬は存在しない。
p. 13 - 15 -
薬を飲み続けても病気は治らない。
p. 16 - 17 -
病気が治るのを薬が邪魔することもある。
p. 18 - 20 -
薬は様々なリスクを伴う。
p. 21 - 23 -
現代医療の本質とは何か?
p. 25 - 27 -
現代医療の真意は、病気を止めること。
p. 28 - 29 -
現代医療とは、あくまでも病気を治すサポート。
p. 30 - 31 -
カラダをいじればいじるほど問題が起きる。
p. 33 - 35 -
あと、どれだけの薬を作り続けなければならないのか?
p. 36 - 38 -
医療が発展しないジレンマ。
p. 39 - 41 -
病気とは、異物。
p. 44 - 47 -
病気とは、体内システムの異常。
p. 48 - 50 -
病気とは、体の許容オーバー。
p. 51 - 52 -
なぜ、人は病気になるのか?
p. 53 - 54 -
問題の本質を解決するということ。
p. 56 - 57 -
自然界の状態に戻すということ。
p. 58 - 60 -
当たり前のことをするということ。
p. 61 - 63 -
世界最高のテクノロジーとは何か?
p. 65 - 67 -
人のもつ力が未来の医療を変える。
p. 68 - 70 -
未来のテクノロジーとは、概念そのもの。
p. 71 - 74 -
はじめに
p. 77 -
データを根拠にしない理由
p. 78 - 80 -
運動 ― 動物は、動くもの。
p. 81 - 84 -
食事 ― 命そのものを食べる。
p. 85 - 93 -
睡眠 ― 危険が無いから眠れる。
p. 94 - 100 -
自然環境 ― 過酷な環境が生命を強くする。
p. 101 - 103 -
病気になる最大の理由
p. 105 - 107 -
ストレスとは何か?
p. 108 - 112 -
ストレスと、どう向き合うべきか?
p. 113 - 132 -
はじめに【重要】
p. 135 -
第一節 いかにして戦わずに勝つか。
p. 136 -
第二節 勝つ意思のある者が勝つ。
p. 137 - 138 -
第三節 強い相手だと思ったら、戦わない。
p. 139 - 140 -
第四節 守りを固めて待つ。
p. 141 - 142 -
第五節 病気になった理由を考える。
p. 143 - 145 -
第六節 肩の力を抜いて、気楽に。
p. 146 -
第七節 治療をする場合は、一瞬で。
p. 147 -
第八節 ほんの少しの治療で止める。
p. 148 -
第九節 病気に止めを刺さない。
p. 149 -
第十節 病気と仲間になる。
p. 150 -
第十一節 治療をするか迷ったら。
p. 151 - 154 -
自分の病気を治すための最善の方法
p. 156 -
さいごに
p. 157 - 158
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