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薬を飲み続けても病気は治らない。

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病気の種類によっては、薬を毎日飲まないと生活に支障が出たり、薬を飲み病気を止め続けたりしなければ、すぐに死んでしまうというような場合もあります。

このような場合は、薬を飲み続ける必要があるのかもしれません。

しかし、どのような病気であっても、自分が薬を飲んでいるということが、一体何をしているのかということを、しっかりと理解しておくことは非常に重要なことです。

自身が生き延びるために、一度は、薬を飲むという選択肢を受け入れなければならない時もあるかもしれません。

ただ、その先、死ぬまで薬を飲み続けなければならないのかというと、それは絶対とは言い切ることはできません。

未来は誰にも分かるものではなく、カラダを健康な状態に導いてあげることで、飲む薬の量を減らすことができるかもしれない、最終的には薬を飲まなくてもいいようになる可能性も残っています。

薬とは、病気を治すために使用するというよりも、健康な状態に戻るための猶予期間を与えるために一時的に病気を回避するためのものであるとも言えます。

そして、それが薬の本来の使い方ではないでしょうか。

病気を治すために薬を長期間使用するというのは、薬の正しい使い方ではないのかもしれません。

正しく使うから、正しい結果が出るのであり、間違った使い方では間違った結果が出たり、最大限の効果を引き出すことができなかったりするとも言えます。



医師が患者に薬を飲むかどうかを提案する時に、「薬は病気を治すものではない」という前置きから始まることは、まずありえません。

どうしても、薬を飲んだ時と飲まなかった時にどうなるのか、その差に焦点が当てられて説明がなされているのではないでしょうか。

確かに、患者に世間の常識とは異なることを話すのは、混乱を招くため、あまり好ましくない事なのかもしれません。

しかし、薬を飲むことの本当の意味…、病気を治すために、いかにカラダの状態が重要であるのか…、病気を治すということは一体どういうことなのか…を、しっかりと説明していくことも本当は必要なことなのかもしれません。

患者が、病気を治すということをきちんと理解することで、薬の効果が向上したり、病気の治る確率も格段に高くなったりするとも言えます。

例えば、社員に、ただ仕事をさせる場合と、仕事の意味を理解させて仕事をさせる場合、明らかに成果に差が出ます。

それと同様に、ただ、医師に言われたままに薬を飲み続ける受け身の患者と、物事の本質を理解して治療に取り組む自発的な患者とでは、出すことのできる結果に大きな差が出るのは容易に想像できます。

時間の無い医師にとって、一から患者に説明するのは大変なことかもしれません。

しかし、特に、大きな病気を患っている患者に対しては、きちんとした説明をしておいた方が、後々、患者にとっても医師にとってもメリットが大きいのではないでしょうか。

早く治ったほうが患者はうれしいし、患者が治るという良い評判があれば、さらに患者の来院数は増えます。

なかなか難しいことですが、こういったことが、しっかりと積み重ねることができた病院が、将来において最も優れた病院になるのかもしれません。




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