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医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す。

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このヒポクラテスの誓いは、紀元前の医療状況下に書かれたものであるため、当然一部の内容は現代に適さないものもありますが、多くは現在でも医療倫理(医師としての在り方)の根幹を成しています。

このヒポクラテスの誓いを現代的な言葉で表現したのがWMA(世界医師会)のジュネーブ宣言と言われています。



ここで言いたいことは、医療を提供する側と、医療を受ける側の考え方に、大きなギャップがあるということです。

医療を提供する側(医師)の根本的な概念とは、先にも述べたように、医学の父であるヒポクラテスの提唱した「医師が病を治すのではなく、カラダが病を治す」というものです。

つまり、あくまで医療とは、カラダが病気を治すのをサポートするものであって、病気そのものを治してくれるものではない、という事です。

しかし、医療を受ける側(患者)の考え方はどうでしょうか。

病気になった時に病院に行くのは、その病気を治してもらうため…。

薬を飲むのは病気を治すため…。

病気を治してくれるのは医師…。

病気というのは自分の力で治すものではなく、何かに頼って治すもの…。

というのが、現在の医療を受ける側の、ごく一般的な考え方ではないでしょうか。

この、患者と医師の二つの考え方は、まるでコインの裏表のように真逆の考え方とも言えます。

医師の医療に対する考え方はヒポクラテスの提唱した概念(Ver. 2.0)のままであるわけですが、患者の考え方は、それとは異なる概念(Ver. 3.0)になっているとも言えます。

医師の考え方は、紀元前から変わることは無いのに、患者の考え方だけが大きく変わってしまっています。

何も理由が無いのに、ある日突然、人の考え方が変わったりすることはありません。

何かのきっかけが必要です。

まして、世界中の人の医療に対する概念に大きなパラダイムシフト(その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化すること)が起きるとなると、それなりの理由が必ず必要になります。

ある大きなパラダイムシフトによって、医療を受ける側の私たちの考え方が革命的に変わり、その考え方が、今もなお続いているのが現代です。

そして、その考え方によって現代医療は大きな壁にぶつかり、現代医療の次のステージへの発展そのものが妨げられているとも言えます。

過去に起きた人類の二度目のパラダイムシフトとは、一体何なのでしょうか。

グローバルなネットワーク(地球規模の情報通信網)が無く、今よりも世界がつながっていなかった時代に、世界各地で同時多発的に起きた、人類の固定概念を変えるほどの現象、とは一体何だったのでしょうか。




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