ストレス

ストレスがあると、いつまでも免疫は上がらない?

健康のためのヒント Hint 004

リラックスする女性
リラックスする女性

ストレスから解放されると、一気に免疫力は回復する。

例えば、大学生の卒業試験の際には、精神的に大きなストレスがかかり免疫力は大きく低下します。しかし、試験が終われば、ストレスから解放され、免疫力は一気に回復するというデータがあります。

大学生の卒業試験ストレスと免疫(NK活性)の関係
大学生の卒業試験ストレスと免疫(NK活性)の関係

※卒業試験後に免疫力が低下している学生は、卒業試験に合格できずにさらにストレスを受けたことが原因とも言えます。



免疫を下げるのは、慢性ストレス?

ストレスは、急性ストレスと慢性ストレスの2つに大きく分類できます。特に、慢性ストレスによって免疫力は大きく低下します。



急性ストレス
寒い、暑い、お腹が減った、痛いなど
(一時的なストレス)

慢性ストレス
人間関係の悩み、金銭的な問題、将来への不安、過去への後悔など
(慢性的に継続するストレス)

慢性ストレス→自分で解決できない→慢性化する
慢性ストレス→自分で解決できない→慢性化する

恐ろしいストレスの増幅スパイラル。

ストレス(悩み)は考えれば考えるほど増幅され、それがまたストレスになります。

ストレス→つらい苦しい→長期間続く→変わらぬ現状
ストレス→つらい苦しい→長期間続く→変わらぬ現状

特に現代人が抱える慢性ストレスは、本人の力ではどうすることもできないものが多く、増幅スパイラルに陥りやすい。



なぜ人間は慢性ストレスに弱いのか?

そもそも、現代人が抱える慢性ストレスというもの自体は自然界には存在しないものです。つまり、存在しないから、それに対する耐性ができようがないとも言えます。

慢性ストレス→自然界に無い→耐性ができない
慢性ストレス→自然界に無い→耐性ができない

人間(動物)のカラダには、あらゆる環境に対して適応できるようにカラダを進化させる環境適応能力があります。しかし、慢性ストレスに対しては人類は全く進化できていないとも言えます。



ストレスは、最も重要な健康条件。

運動不足や、睡眠不足、変なものを誤って食べてしまう…、というようなことは少なからず自然界にも存在します。そのため、これらの項目に対しては適応進化し、人間のカラダはある程度の許容能力をもっています。

しかし、慢性ストレスに関しては耐性が無いため、人間の最大の弱点であるとも言えます。つまり、ストレスの発散は、最も重要視されるべきものです。

慢性ストレス→自然界に無い→耐性ができない
慢性ストレス→自然界に無い→耐性ができない

ストレスは、諸悪の根源。

ストレス状態は、カラダに対して、ありとあらゆる問題を引き起こします。例えば、

  • 免疫機能の低下
  • 暴飲暴食などの誘発
  • 自律神経の乱れによる睡眠の質の低下
  • 過剰なストレスホルモンの分泌による脳委縮、不妊など

問題点を挙げればきりがありませんが、一言でいうのであれば、ストレス状態では人間のカラダは正常に機能することができないとも言えます。

ストレス状態→カラダは正常に機能しない
ストレス状態→カラダは正常に機能しない


人生で一番ストレスを受けるのは、30~40代。

厚生労働省の調査では、ストレスがあると答えた人の割合は、男性42.4%、女性50.3%となっています(女性の方が多い)。

性・年齢階級別に見た悩みやストレスがある者の割合(12歳以上)
性・年齢階級別に見た悩みやストレスがある者の割合(12歳以上)

出典:厚生労働省 国民生活基礎調査(平成22年度)


一番のストレス発散法は?

美味しいものを食べる、買い物、マッサージ、旅行、友人と遊ぶ、読書、温泉など様々なストレス発散法はあります。結局、自身でストレスが発散できると思うものであれば、それを行うのがベストであると言えます。

運動する女性
運動する女性

ここでは運動を推奨します。運動はそれほどお金もかけずにストレスを発散することができます。さらに、免疫力も向上するためカラダに対するメリットの大きなものです。



まとめ

現代社会のルールや秩序、人間関係などによって、現代人は大きな慢性ストレスを受けています。ストレスを受けること自体は避けられないものですし、考え方や精神論などによって簡単に回避できるものでもありません。誰でも何らかのストレスを受けています。

ストレスを感じた時に最も重要なことは、免疫力が低下したり、カラダが正常に機能しなくなっているということを自覚することです。

対処法としては、できるだけストレスを溜めないように様々な方法を駆使して発散しながら生きていくしか方法はありません。また、ストレスを発散するということは、自身のストレスに対する関心を、少しでも別のことに向けさせることであるとも言えます。