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Column 0070 | 2019.11.21

薬の数(種類)は全部でいくつあるのか?

薬
薬

病院で処方されるお薬。病気の種類によって様々なお薬がありますが、一体全部でどれだけの種類があるのでしょうか。


1.薬価基準収載品目リストとは。


薬価基準とは、保険医療に使用できる医薬品の品目とその価格を厚生労働大臣が定めたものを意味します。お薬はその品目や価格が厚生労働省において決められており、医師や薬剤師は、原則として厚生労働省で定められた医薬品以外を使用してはならないということになっています。

つまり、薬価基準に収載されている薬が実際に病院で使用されているお薬であり、その数がお薬の数ということが言えます。

2.収載されているお薬は、約1万6千程度。


現在、医療機関等で保険診療に用いられる医療用医薬品として官報に告示されている(薬価基準に収載されている)品目は約1万6千程度あります。この中には、後発医薬品(いわゆるジェネリック医薬品)や漢方なども含まれます。

その内訳は、

内用薬(口から飲み込むお薬)
:10,220 品目

注射薬
:3,893 品目

外用薬(軟膏、坐薬、吸入薬、うがい薬など)
:2,421 品目

歯科用薬剤
:28 品目



計 16,561 品目

薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和元年11月19日適用)

3.お薬の種類で言えば、約3千種類。


薬価基準収載リストの数は、薬のすべての銘柄がカウントされています。例えば、○○製薬会社のA、××製薬会社のAというように、同じAという薬がいくつもあったり、薬の形状(錠剤なのかカプセルなのか)や用量(5mg、10mgなど)でも分けて、全てがリストに収載されています。

実際には、薬の成分のみでカウントした場合は、2,991品目になります。つまり、日本において病院で使用されている薬は、約3千種類であると言えます。

4.お薬の数は減っている?


薬価収載品目リストに新たに加わるものもあれば、リストから外れるものもあるため薬の総数は随時変動しています。

例えば、

2013年 17,118 品目
2015年 17,422 品目
2017年 17,373 品目
2019年 16,561 品目

品目数は概ね大きくは変わっていませんが、2019年の11月現在では若干少なくなっているとも言えます。


まとめ


現在のお薬は約3千種類あることになります。この数は多いのでしょうか少ないのでしょうか。仏教では、「四百四病(しひゃくしびょう)」という言葉があり、病気の数は404個あると言われています。

人間の体は、地、水、火、風の4つの要素から構成されており、その4要素の調和が乱れると病気になると考えられています。1つの要素で101個の病気があると言われ、4要素×101個=404個ということになります。しかし、四百四病とは仏教上の定義であり、実際には病気の数はもっと多く、数万~数十万もあるとも言われています。

さらに増え続ける病気の数に対して、現在の薬の数が多いのか少ないのかはわかりませんが、現代医療は約3千種類のお薬を用いています。これから薬は、さらに増え続けるのでしょうか。それとも減少していくのでしょうか。もし、薬の数がどんどん減少するのであれば、現代医療に大きな革新が起き始めているサインなのかもしれません。


Column 0070 | 2019.11.21