美しさとは、若々しさ。
あなたの顔や体は生まれ持ったものであるため変えることのできないものであると言えます。しかし、周りから惹かれるような美しさを決めるのはそれだけではないはずです。
しなやかな髪、透明感のある肌、自然な清潔感など、後天的な要素の方が多く存在します。これらの要素は「若々しさ」とも表現できますが、人による若さの違いとは、本当に年齢による差だけなのでしょうか。
年齢を重ねても美しい彼女たちの笑顔はどこからきているのでしょうか。
あなたの顔や体は生まれ持ったものであるため変えることのできないものであると言えます。しかし、周りから惹かれるような美しさを決めるのはそれだけではないはずです。
しなやかな髪、透明感のある肌、自然な清潔感など、後天的な要素の方が多く存在します。これらの要素は「若々しさ」とも表現できますが、人による若さの違いとは、本当に年齢による差だけなのでしょうか。
年齢を重ねても美しい彼女たちの笑顔はどこからきているのでしょうか。
年齢差が約2倍ですが、実は免疫力も2倍違います。
年齢とともに、疲れが取れにくくなったり、視力の低下など、身体能力の衰えを感じることがあります。
人の体は免疫力という病気から守る力を持っていますが、実はその力も年齢とともに衰えていきます。免疫力は生まれてから徐々に上昇し、20代をピークに低下していきます。
生まれたばかりの赤ん坊や子供が風邪をひきやすいのはまだ免疫力が体に満足に備わっていないからです。逆に高齢者が風邪やインフルエンザから肺炎を併発して亡くなることが多いのも、免疫力が落ちているため感染症にかかりやすくなっているためです。
免疫力が健康維持につながるということは周知の事実ですが、実は美容に対しても意外なメリットがあります。
免疫細胞は、実は様々なヒーローが集まった戦隊といえます。その中のNK細胞の強さ(NK活性)を測る事で、免疫力=自分の病気を自分で治そうとする力を調べることができます。
NK活性とは、カラダの機能の指標となる数値であり、ナチュラルキラー細胞による細胞傷害活性を意味します。
免疫力とは免疫細胞の力とも表現できます。血液中の白血球が免疫細胞の主体であり、その働きにより様々な種類が存在しています。
体内に侵入した細菌やウィルスといった病原体を攻撃したり、毎日カラダの中で自然発生しているがん細胞や死んでしまった細胞などの異常細胞を攻撃したりします。
また、血管内壁に蓄積される脂質の除去も免疫細胞の仕事です。つまり免疫力とは体にとって不要なものを掃除する力とも言えます。
あなたが病気にならないように、カラダの中をキレイにしています。
あなた自体は何もしなくても、自然に回るカラダの仕組み。
免疫力はあなたを病気から守るだけでなく、体の内部をきれいにしてくれています。体の内側が綺麗であるということは、あなたの美しさを守るということでもあります。
免疫力が高まり、免疫細胞の働きが活発になると血行が改善され血液の流れが良くなります。それにより新陳代謝が高まることで脂肪が燃焼しやすくなり、太りにくく痩せやすいダイエットに適したカラダへとつながります。
そして、この代謝の良いカラダは基礎体温を高め、温度により影響を受ける免疫細胞はより活発に活動を始めます。免疫力が高いのでまた同じことが起こり、カラダにとってとても良いサイクルが生まれます。
また、この美しさを作り出すサイクルは、免疫力のピークである20代が最も高く、以後加齢とともに低下していきます。つまり、いかにこの免疫力を低下させないことが、「若々しさ」=「美しさ」を保つ秘訣と言えるのかもしれません。
免疫力が高い人ほど、美しさのサイクルがうまく回っているという話をしてきましたが、では自分自身の免疫力は一体どれくらいなのでしょうか?
実際に免疫力を測るには特別な血液検査が必要です。しかし、体温を測定することで免疫力が高いのか低いのか、おおよそを知ることができます。
もし体温が高ければ、美しさのサイクルは回っているということであり免疫力も高いということになります。逆に体温が低いというのは、このサイクルがうまく回っていない可能性が出てきます。
出典 【グラフ上】日本人の体温分布 文献)田坂定考 日新医学 44;633,1957 【グラフ下】TERUMO(テルモ株式会社)
自分の体温が低いのか高いのか、基準となるのは日本人の平均体温ですが、体温計の企業であるTERUMOが公表している、36.14℃という数値があります。
また、1957年に測定された日本人の平均体温は36.89℃±0.34℃であり、日本人の平均体温は下がってきていることがわかります。これは50年前よりも日本人の免疫力が低下していることを支持するものかもしれません。
キレイを作るサイクルが回らなくなると、お肌と若さにとって最悪の原因に。
体温低下により免疫細胞の活動が弱まり免疫力が低下します。
免疫低下により血行が悪くなると、全身にうまく栄養を運べず新陳代謝が低下します。また新しい細胞が生まれにくいばかりか、太りやすく痩せにくい身体ということが言えます。
酵素や細胞機能といった体内活動は、体温が正常であることではじめて機能します。低体温は内臓機能の低下を招き、老廃物・毒素の排泄機能の低下へとつながります。
1.老廃物の排泄機能の低下により体内に余分な水分が貯まる。
2.余分な水分はむくみとなり、むくんだ部分の皮膚は余分な水分によって伸ばされて重力に負けてたるみになります。
3.毒素や老廃物が体内に溜まっているので、くすみやニキビ肌荒れが起こりやすくなります。
4.新陳代謝も低下しているので、肌が生まれ変わりにくく(ターンオーバーが遅い)、シミやしわを定着させる環境が生まれます。
カラダに良いと言われていることは今も昔も大きく変わりません。免疫力を高めることはたくさん存在しており、どれを行っても良いと言えます。
ただ、昔に比べて減ってしまった日々の運動量や、食生活の変化により乱れてしまった腸内環境、現代社会特有のストレスには特に意識していきたいものです。
そして、最も大切なのは、あまり意識しすぎず取り入れることです。免疫力を上げることがストレスになってしまったら、そのストレスでまた免疫力が低下してしまいます。
昔に比べて明らかに減ったのは日々の運動量です。洗濯、掃除、炊飯、お風呂、車での移動、あらゆることが自動化され現代は運動をする機会が大きく減っています。
運動不足になると、血液を送る筋力を刺激しない状態が続き、筋力が低下するとともに、人の体温の4割以上は筋肉で生まれることから基礎代謝の低下にもつながります。逆に適度な運動をすることにより体温は高まり免疫力も向上します。
また、運動により付いた筋肉は、基礎代謝能力の向上にもつながります。筋肉の7割以上が腰から下にあるため、特に下半身の筋肉を用いた運動(スクワット、ウォーキング等)は効果的です。
腸が綺麗でないと、栄養も吸収されないばかりか、老廃物もうまく排出することができなくなります。また腸は人体最大の免疫器官とも言われており、この腸をキレイに保つことが免疫力の向上にもつながります。
腸をキレイにすることは日々の食事を意識するということです。人間も含め動物のカラダは、自然界の食材(植物や他の動物の命)を新鮮かつ自然な状態のまま食べることを前提に進化した生き物です。
逆に、自然界の食材を人間の手で加工すればするほど、本来カラダに入れるべきものではなくなるため、消化が悪かったり、食材本来の栄養を吸収できなかったりと様々な問題が生じます。
つまり、最も人間のカラダのパフォーマンスを引き出せる食事とは、加工されていない自然本来の状態の食材ということになります。具体的には、刺身や生野菜、果物などの生の状態のものが最適と言えます。
ただし、肉は加熱が必要ですし、すべてを生で食べるわけにはいきません。また、加工品(揚げ物、お菓子など)も食べたいときは食べるべきです。健康のために行っている食事制限がストレスになっては意味がありません。
自然な状態の食材を食べることを意識しつつも、食を楽しむこともストレスの発散につながるため大切なことです。
昔に比べて増えているものにストレスがあります。現代人は、人間関係の悩みや金銭的な問題などを常に抱えています。また自身では解決することが難しい時代に私たちは生きています。解決が難しいからこそ、悩みや問題は慢性化し、それによって受けるストレス自体も慢性化しています。
ストレスは現代社会において避けることのできない問題ですが、特にこのストレスの影響を受け、免疫力は大きく低下してしまいます。そして、日々受け続けるストレスは慢性的な免疫力の低下を招きます。
また、忙しい現代人にとってストレスを貯めずに生活を送ることは不可能に近いと言えます。大切なのは、ストレスを受けていると感じた時は、あなたを病気から守ったり、美しさを守る免疫力が低下しているということを意識することです。
美味しい食事、お風呂、スポーツ、旅行、森林浴、友人と過ごすなど、どんな方法でも構いませんが、できるだけストレスを発散することを試みてください。
出典:厚生労働省 国民生活基礎調査(平成22年度)数値は女性に対する調査結果
厚生労働省の調査では、12歳以上の者(入院者は除く)について、日常生活での悩みやストレスの有無別構成割合をみると「ある」46.5%、「ない」42.6%となっています。
悩みやストレスがある者を性別にみると、男42.4%、女50.3%であり、男性よりも女性が高くなっています。また、年齢階級別にみると、男女ともに30代~40代の数値が高く、人生の中で最もストレスを感じる年代と言えます。
出典:厚生労働省 国民生活基礎調査(平成22年度)
低下した免疫力では美しさを守るのが難しくなります。
免疫力は年齢とともに低下していくものですが、日々抱えるストレスによっても大きく低下します。
50代の人の免疫力は20代の半分にまで低下すると言われていますが、その前段階である30代~40代に受けるストレスによっては、どこまで低下しているかわかりません。
出典:厚生労働省 国民生活基礎調査(平成22年度 性・年齢階級別にみた主な悩みやストレスの原因(複数回答)の割合(12歳以上)
免疫力の高い20代は、美しさのサイクルが自然とうまく回ります。しかし、日々受けるストレスの度合いによっては、実年齢よりも免疫力が低下している場合があります。
美しさのサイクルがうまく回らないと、血液の流れが悪くなります。血液にはカラダのエネルギーのもととなる栄養素や酵素、カラダの調子を整えるホルモンなども含まれており、これらがうまくカラダ全体に行き渡らなければ、卵巣機能や黄体機能の低下を招くことがあります。
特に子宮や卵巣のある下半身はこの影響を受けやすく、生理痛、生理不順、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣膿腫などを引き起こす原因となることがあり、着床しにくくなる場合があります。
また、若い方が血液循環が悪く低体温のまま更年期に入ると更年期障害は重くなるとも言われています。
人のカラダは37.2兆個(以前は60兆個でした)の細胞で構成されています。その一つ一つの細胞は、様々な説がありますが、一定期間で新しく生まれ変わると言われています。
免疫細胞は体にとって悪いものを除去しあなたを病気から守るだけでなく、美しさを守る役目も果たしています。このカラダの仕組みをうまく利用して、カラダの細胞レベルでキレイを追求することは、これからの美容の新しい形と言えます。
美しさのために免疫を意識するのは、最も知的なアプローチ。
免疫力は、いつまでも変わることなく美しくあるためのカラダに備わった機能であると言えます。
しかし、この力は年齢と共に低下するものであり、慢性的な日々のストレスによっても低下します。
誰もが低下する免疫力を意識して生活を送ることが、将来の周りとの違いを生み、あなたの美しさと笑顔を守ることへとつながるのではないでしょうか。
Column 0069 | 2019.10.02