β-グルカンのおさらい。
β-グルカンとは、β型のグルコースが鎖状にいくつもつながってできたグルカンの総称です。
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第一章|β-グルカンのすべて
3. β-1,3-1,6-グルカンとは
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β-グルカンとは、β型のグルコースが鎖状にいくつもつながってできたグルカンの総称です。
赤玉も青玉もどちらもβ型のグルコースを意味しています。
グルコースの基本骨格は、1個の酸素(O)と、6個の炭素(C)でできています。
数字は、炭素に振り分けられた番号を意味しています。酸素(O)の隣の炭素(C)から順番に番号がふられています。
グルコースは、できるだけ立体的な障害が無いようにつながっていくため、結合パターンは限られています。
一番長くグルコースがつながった部分を主鎖(赤玉部分)といい、主鎖から枝分かれした部分を側鎖(青玉部分)と言います。
例えば、上記の場合だと、主鎖(赤玉)は1,3結合でつながっていますが、側鎖(青玉)は1,6結合でつながっています。
つまり、これがβ-1,3-1,6-グルカンです。
例えば、主鎖が1,4で側鎖が1,6なら、β-1,4-1,6-グルカンであり、主鎖が1,3で側鎖が1,6なら、β-1,3-1,6-グルカンとなります。
もし、側鎖がなく(枝分かれが全くなく)、1,4でつながった主鎖だけの場合は、β-1,4-グルカンと呼ばれます。
側鎖を議論していない場合は、主鎖だけの数字で表現されることもあります。
β-1,3-1,6-グルカンというのは、グルコースの結合様式を表現したものであり、そのような化合物の総称を意味しています。
上記に示したのは、すべてβ-1,3-1,6-グルカンです。
すなわち、β-1,3-1,6-グルカンという言葉は、主鎖がβ-1,3-結合で、β-1,6-結合にて分岐構造をもつグルカンであることを示しているのであって、いくつグルコースが結合しているのか、どのような割合で分岐しているのかについては区別していません。
しかし、過去の研究では、同じβ-1,3-1,6-グルカンに分類される多糖でも、生理活性が大きく異なり、グルコースの結合数や結合の割合も生理活性に影響していることが報告されています。
そのため、同じβ-1,3-1,6-グルカンでも、この違いを明確にするために、諸性質を明らかにして、付記することが多くなりました。
一般的に、グルコースの結合数を示すには分子量が用いられ、結合の割合を示すには分岐度(分岐率ともいう)が用いられます。
分子量とは、原子の重さの合計で表した数(グルコースC6H12O6は180で表される)で、炭素Cを12とした時の相対的な数で表します。
分岐度は、主鎖を形成している単糖(グルコース)数あたりの分岐構造をもつ単糖の比を示し、グルコース残基5個に1個の割合でβ-1,6-結合にて分岐が存在するβ-1,3-1,6-グルカンの分岐度は1/5となります。
世間では、β-1,3-1,6-グルカンならどんなものでも免疫をサポートする機能があると思われていますが、そんなことはありません。ほとんどのβ-1,3-1,6-グルカンは、食物繊維としての機能性しか持っていません。
ヒトでの臨床試験で機能性が立証されたβ-1,3-1,6-グルカンだけが、免疫を上げることができます。 β-1,3-1,6-グルカンは分類名であり、免疫を上げるβ-グルカンの条件ではありません。