TOP > 成分情報 > β-グルカン解体真書

第一章|β-グルカンのすべて

1. グルカンとは

03

グルカンには、α-グルカンとβ-グルカンがある。

α-グルカンとβ-グルカン
α-グルカンとβ-グルカン

主な由来

私たちの身近にあるα-グルカンの代表例は、デンプン(片栗粉など)です。また、β-グルカンは、ゴボウや大豆に含まれるセルロースとも言われる食物繊維が有名です。

植物の細胞壁を構成する成分や、植物や動物のエネルギー貯蔵のための成分、細菌などの微生物が産生する成分などです。


α-グルカン

α型のグルコースが鎖状につながったグルカンの総称。以下に、一例を示します。

成分名 成分詳細
アミロース うるち米などに含まれるデンプンの一種
(α-1,4結合)
グリコーゲン 動物における貯蔵多糖。動物デンプンとも呼ばれる。
(α-1,4およびα-1,6結合)
アミロペクチン もち米などに含まれるデンプンの一種
(α-1,4およびα-1,6結合)
プルラン 黒酵母が産生する多糖の一種
(α-1,4-1,4-1,6結合)
デキストラン 乳酸菌の産生する多糖
(α-1,6-結合)

※世間では、黒酵母(Aureobasidium pullulans)はβ-グルカンを産生するものと知られていますが、本来はプルランを産生するものです。黒酵母の一部の特殊な菌株がβ-グルカンを産生します。


β-グルカン

β型のグルコースが鎖状につながったグルカンの総称。以下に、一例を示します。

成分名 成分詳細
ラミナラン 海藻やキノコに含まれる貯蔵多糖
(β-1,3およびβ-1,6結合)
カードラン 細菌の産生する多糖
(β-1,3-グルカン)
カロース 高等植物の産生する多糖
(直鎖のβ-1,3-グルカン)
セルロース 植物の細胞壁、食物繊維の主成分
(直鎖のβ-1,4-グルカン)

α-グルカンとβ-グルカンの違い。

成分を構成する最小単位は、どちらもグルコース(ブドウ糖)です。違いは、そのグルコースが、α型のグルコースなのかβ型のグルコースなのかということになります(グルコースには2型存在します)。

α型のグルコースでできていれば、α-グルカン。β型のグルコースでできていればβ-グルカンです。


なぜ、たくさんのα-グルカンとβ-グルカンがあるのか。

グルコースのつながり方(結合様式)が様々あるため、 α-グルカンもβ-グルカンも、それぞれにたくさんの成分が存在しています。