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序章|免疫サプリメントについて

3. 様々な免疫サプリメント

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LEM(シイタケ菌糸体抽出物)とは?

シイタケ菌糸体
シイタケ菌糸体

シイタケの根っこの熱水抽出物。

通常、スーパーなどで見かけるシイタケを子実体といい、その根っこの部分を菌糸体と言います。この菌糸体を自然に成長させて、熱水で抽出したものがLEMです。


様々な成分の混合物。

熱水で抽出しただけで、特別な精製をしているわけではないので、様々な成分が混在しています。

多糖類として、β-グルカンもあればα-グルカンもあるし、アラビノキシランも含みます。その他にもフェノール類としてシリンガ酸、バニリン酸、リグニン等が混ざっています。


菌糸体と言うけど、結局はカビ。

カビというのは、「カビの生えたパン、カビの生えた果物」で知られるカビのことです。LEMというのは、簡単に言えば、シイタケのカビを熱水で抽出した原液であったり、乾燥させて粉末にしたものです。


カビを食べれば免疫系が活性化して当然。

人間が普通に生活していてカビを積極的に食べることはありません。むしろ本能的に避けるものです。

カビから抽出した成分がカラダに入れば、カラダは病原体(カビ)が侵入したと誤解し、その病原体を除去しようとして、自然に免疫系を活性化します。

このように病原体と認識される物質の立体構造を、病原体関連分子パターン(PAMPs)といい、PAMPsを認識する免疫細胞などの表面に存在する受容体をパターン認識受容体(PRRs)と言います。


LEMのどの成分が効いているのか、はっきりしない。

何かの効果があったとしても、それはLEMの中のどの成分のおかげなのかが良く分かっていません。成分が特定されていないため、免疫サポートの作用メカニズムもしっかり特定されていません。


LEMの免疫抑制の解除。

ガンになると、免疫を抑制する細胞(免疫抑制細胞)が増えることが分かっており、この免疫抑制細胞の増殖をLEMで抑えることで、免疫の抑制を解除し、本来の免疫の力を発揮しやすくすることができると言われています。

ただし、患者の体内では免疫機能自体が弱まっているため、免疫の抑制だけを解除しても、効果が発揮されにくい可能性があります。事実、免疫抑制を解除したからといって、すべての患者が良くなるわけでもありません。


β-グルカンも入っているから一石二鳥、でもない。

熱水抽出した程度では食物繊維としてのβ-グルカンしか得られません。つまり、LEMに含有されるβ-グルカンは免疫をサポートできるレベルのものではないということです。


LEMのメリットとデメリット。

メリットとしては、免疫抑制の解除という独特な性質をもつということです。ただ、この性質をもつから他の成分よりも明らかに優れているというわけでもありません。

デメリットとしては、普通は食べない成分であることと、様々な成分の混合物であるため、よくわかっていない成分も含まれ、今は安全と言われていても、将来どうなるかわからないというリスクがあります。