何もしなくても死なない?
80歳代の男性の約4割が前立腺がんをもっていますが、その半数は前立腺がんで亡くなることは無いとも言われています。
前立腺がんは、急激に進行する種類もありますが、多くの場合は進行の穏やかな癌とも言われており、死因になるほど成長するには時間がかかります。そのため、前立腺癌とは異なる理由が原因で患者が先に死んでしまう事があります。
つまり、無理に治療をしなくても、自身の寿命に大きな影響を与えない可能性もあるということです。
前立腺がんは、男性にとって気になる病気の一つです。しかし、そもそも積極的に治療する必要性の無い病気なのかもしれません。
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80歳代の男性の約4割が前立腺がんをもっていますが、その半数は前立腺がんで亡くなることは無いとも言われています。
前立腺がんは、急激に進行する種類もありますが、多くの場合は進行の穏やかな癌とも言われており、死因になるほど成長するには時間がかかります。そのため、前立腺癌とは異なる理由が原因で患者が先に死んでしまう事があります。
つまり、無理に治療をしなくても、自身の寿命に大きな影響を与えない可能性もあるということです。
2017年度のガンの死亡者数(男性)は、全部で220,398人。
部位別ガン死亡数
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食道:9,580人
胃:29,745人
大腸:27,334人
肝臓:17,822人
胆のう+胆管:9,237人
膵臓:17,401人
肺:53,002人
前立腺:12,013人(5.45%)
甲状腺:531人
悪性リンパ腫:7,003人
白血病:5,215人
その他:31,515人
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前立腺がんで亡くなった男性は全体の5.45%になります。
出典:国立がん研究センターがん情報サービス がん登録・統計
もし手術で、前立腺を摘出し、膀胱からの尿のせき止め機能に障害が起きれば、尿漏れを引き起こす場合もあります。術後の患者の5~10%に尿漏れの症状が出るとも言われています。
膀胱から出た管は前立腺の内部を通り、尿道へと続いています。射精する時に、精子に尿が混ざらないように、前立腺の筋肉で膀胱から出ている管を収縮させ、尿が漏れてこないようにせき止めています。
昔ほど乱暴な手術は行われなくなりましたが、内視鏡を使った切除術であっても勃起不全の発症率は10%程度はあります。
また、ガンの状態によっては組織を大きく切除することもあり、その際に神経まで切除することになった場合は、勃起不全は66%、射精障害は100%になるとも言われています。
前立腺は、精液の合流地点であり、そこでは前立腺液も混合されます。前立腺液は、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割があります。
勃起不全や射精障害によって、不妊になる可能性もあります。これから子供を作りたいと思っている男性には大きなデメリットであると言えます。
仮に全摘したとしても、術後5年以内の再発率は、25~35%とも言われています。手術をした年齢にもよりますが、高齢であるほど再発リスクは高くなるとも言えます。
前立腺癌を手術で取ってしまえば、将来のリスクを一時的に回避することはできるのかもしれません。
しかし、前立腺癌に限っては、他のガンと異なり、回避する必要性のないリスクである場合(何もしなくても特別大きな問題にならない場合)もあります。
逆に、癌を詳しく調べるために針生検(前立腺に針を刺してガン組織を取ること)によって出血・炎症などの副作用があったり、積極的に手術をすることでカラダに負担をかけたり、尿漏れや勃起不全などの後遺症が出ることもあります。
数値(腫瘍マーカー:PSA)が高いと言われたとしても、特別日常生活に支障が無いのであれば、あえて手術などで大切なカラダをいじらないことも一つの選択肢ではないでしょうか。
ただし、手術をするかしないのかは、患者自身の問題であり、様々な情報を自身の価値観の天秤にかけ、最終的には自分自身で選択すべきものです。(高齢の場合や身体の状態によっては、手術の負担を考慮し、手術自体を患者に勧めない場合もあります)
また、数値が気になるのであれば、まずは運動や食事などの生活習慣を改善し、免疫力(生命力)の向上を図ってみるのが良いのではないでしょうか。それでも改善しない場合は、免疫サプリメントに頼るのも一つの方法です。
Column 0062 | 2019.08.16