吸収させることは、最大のメリットを消すこと。
β-グルカンとは免疫を活性化してくれる高分子です。その最大のメリットとは、カラダに吸収されずに免疫を引き出すことができるということです。
吸収されなくても、腸管上皮細胞や免疫細胞など、体内の細胞表面の受容体に認識さえされれば、カラダは病原体の侵入と判断し、自身の免疫系を活性化しようとします。
吸収されないからこそ、余計な問題が起こることも無いと言えます。
β-グルカンの商品の中には、低分子化させて吸収率を上げたものも存在します。本当に吸収させた方がいいのでしょうか。
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β-グルカンとは免疫を活性化してくれる高分子です。その最大のメリットとは、カラダに吸収されずに免疫を引き出すことができるということです。
吸収されなくても、腸管上皮細胞や免疫細胞など、体内の細胞表面の受容体に認識さえされれば、カラダは病原体の侵入と判断し、自身の免疫系を活性化しようとします。
吸収されないからこそ、余計な問題が起こることも無いと言えます。
もし、β-グルカンが腸管上皮から吸収され血管の中に入ると、逆に問題が生じるリスクは高くなります。
医薬品のβ-グルカンとして、レンチナンというものがあります。レンチナンは抗悪性腫瘍剤として、静脈注射によって用いられるものです。直接血管の中にβ-グルカンを入れて使用します。
レンチナンの禁止事項の中に、「ショック症状を起こす既往歴のある患者には使用しないこと」という項目があります。つまり、問題が起こることがあるということです。
ショック症状だけでなく、他にも様々な副作用が起こる可能性はあります。
例えば、指摘されている副作用として、
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呼吸器:
胸部圧迫感、咽頭狭窄感等
皮膚:
発疹、発赤等
消化器:
悪心、嘔吐、食欲不振等
精神神経系:
頭痛、頭重、めまい等
その他:
多汗、発熱、潮紅、ほてり、脱力発作、又は中〜強度の痛みを伴う一過性の腰痛・背部痛、倦怠感等
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β-グルカンは、経口摂取(口から食べること)であれば特別問題が起こることはありませんが、血液の中(本当のカラダの中)に入れた途端に、様々な問題が起こる可能性は高くなります。
これは、β-グルカンに限らず、本来存在してはならないものを、本当のカラダの中(血液中)に入れてしまうと副作用が出るとも言えます。
低分子化してカラダへの吸収率を上げると、いかにも効きそうなイメージがあります。
よく理解していない消費者は、効果のありそうなイメージで商品を選ぶこともあります。だからこそ、販売業者の中には効果のありそうなイメージの高い低分子化した商品を作ります。
しかし、低分子化しただけで、その商品が本当に効果が上がっているのかをヒトで確認していなかったり、その安全性も立証されていない商品は多くあります。
消費者のことは何も考えずに、購買意欲を上げるために、ただ低分子化しただけであるとも言えます。
人間が自然の中で生活していれば、ウィルスや細菌など多くの病原体に接触したり体内に取り込むことになります。
β-グルカンとは、そのような病原体に立体構造がよく似た高分子であり、カラダは病原体と誤認して免疫システムを活性化します。
病原体に対するごく自然な反応であるからこそ何も問題が起こることなく免疫は活性化されます。ただし、この現象は、病原体が口から入った時に限ります。
この自然の理(ことわり)を無視して、β-グルカンを血液中に取り込ませれば問題が生じるリスクは高くなります。
何でもかんでも吸収率を上げれば良いというものではありません。
Column 0054 | 2019.08.08