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Column 0052 | 2019.08.06

β-グルカンの入ったアガリスクを食べても免疫は上がらない?

キノコ類
キノコ類

キノコ類には免疫を活性化するβ-グルカンが含まれてはいますが、ただキノコを食べるだけではβ-グルカンを摂取したことにはなりません。



キノコを食べても、β-グルカンは摂取できない。


β-グルカンはキノコや酵母などの細胞壁に含まれている免疫賦活成分ですが、その細胞壁を分解する酵素を人間はもっていないため、ただキノコを食べただけではβ-グルカンを体内で取り出すことができません。

キノコ・カビ・酵母などの真菌類は、人間のカラダに病原体と認識されるため多少は免疫が上がるかもしれませんが、本当に免疫を上げるために高度に精製されたβ-グルカンほど免疫を上げることはできません。


高級なキノコかどうかは効果に影響しない。


アガリスクや霊視など、わずかしか取れない希少なキノコは値段も高価で、いかにも免疫が上がりそうに思えます。

しかし、細胞壁に含まれるβ-グルカンを取り出さなければ、それはスーパーに売っているシイタケを高いお金を出して食べているのと同じことであるとも言えます。


科学的に証明されていないと免疫は上がらない。


世の中にβ-グルカンの商品はたくさんあります。含有量の多いもの、β-1,3-1,6-グルカンが入っていますと謳っているもの、厳選・熟成・低分子化など、様々な謳い文句で多くの商品が存在しています。

価格や言葉のイメージで良い商品だと判断すると、必ず効果のない商品を買わされることになります。世の中に存在する商品は、本当に消費者のことを考えた商品だけが売られているのではありません。

どんなβ-グルカンがいくら入っているのかは問題ではなく、その商品を実際に口にした時に、本当に免疫を上げてくれるのかが最も重要なことです。

商品の希少さや他との利点をいくら述べたとしても、実際に病院でヒトでの試験を行い機能性の証明された商品には勝つことはありません。

逆に、ヒトで機能性が立証されていない商品をいくら飲んでも、β-グルカンに期待する効果が出ることは無いとも言えます。また、安全性に関しても立証されていなければ、いくら天然物だからと言って、健康被害が起こらないとも限りません。


まとめ


β-グルカンはキノコなどに含まれる免疫賦活成分です。もし、キノコを食べるだけでβ-グルカンを摂取できるのであれば、キノコをよく食べる人の免疫は高くなっているはずです。

しかし、世界有数のキノコの消費大国である日本のがん患者の数は、他の国に比べ特別少ないわけではありません。これが、ただキノコを食べても免疫がそれほど上がらない理由とも言えます。


Column 0052 | 2019.08.06