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Column 0049 | 2019.08.03

ガン保険は入らないほうがメリットが大きい?

電卓
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保険は将来への備えであり、本人の価値観によって入るか入らないかを選択するべきものです。なぜ、筆者は入らないほうがメリットが大きいと考えているのでしょうか。



もらったお金で、治せない確率が高い。


医学の進歩によって、癌になっても治療をすることで治る人もいます。しかし、癌による死亡率は年々上昇しています。

つまり、手術や抗がん剤などの治療法で助かる人がいる一方で、実際には、そのバックグラウンドでは多くの人が亡くなっていることを意味しています。

もし、保険でガンの治療費を補填し、十分な治療ができたとしても、治せない確率は非常に高いと言えます。むしろ、治療によりつらく苦しい思いをして死んでいく可能性もあります。


元を取る前に死んでしまう。


例えば、月1万円の保険料を払ったとして、年間12万円になります。これを10年間程度続ければ、120万円を保険会社に払うことになります。

一方、癌患者の治療の自己負担額は年間115万とも言われています。一年間以上治療を続ける人もいますが、余命三ヶ月、余命半年とも言われて、半年以内の治療で死んでしまう場合も多くあります。


最終的には保険会社が得をする。


保険というビジネスモデル自体が、保険会社が必ず利益を得るように作られています。

現代は、2人に1人が癌になる時代です。被保険者が、約50%の確率でガンになり、これからその割合はさらに増すとも言えます。逆に保険会社が損をするのではないかとも思えますが、実際には損はしません。

保険会社が、癌になった被保険者にいくらかお金を返金しても、利益が十分残るから成立しているとも言えます。裏を返せば、一定の期間(例えば1年間程度)で、保険会社が被保険者にお金を払わなくてもいい状態になる(被保険者が亡くなってしまう)ということも推測できます。


まとめ


保険という制度は、将来のリスク回避の有効な手段の一つです。一方、保険は、何か問題が生じた際に、その問題をお金で解決できるからこそ成り立つ制度であるとも言えます。

しかし、癌の場合は、お金で必ず解決できるものではありません。保険という制度を、人間の健康という分野にまで延長し適応させようとするのは少し無理があることなのかもしれません。

将来、癌になることを前提でガン保険に入るよりも、そもそもガンにならないためにお金を使うこともリスク回避手段の一つです。例えば、保険料の1万円を使ってジムに通い運動するなど。

癌は、交通事故や天災のような運命的な要素の強いリスクではなく、日々の生活習慣などで回避できる要素の強い将来リスクではないでしょうか。


Column 0049 | 2019.08.03