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Column 0044 | 2019.07.29

牛乳(乳製品)は飲むべきか、飲まないべきか?

牛
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牛乳は骨が弱くなるから飲まないほうがいいとか、栄養素が豊富だから飲んだ方がいいという意見もあり、論争の激しく難しいテーマでもあります。専門家の間でも意見は分かれています。

科学的根拠により論破し合っていては、結論は出ない。


賛成派も否定派も、様々な科学的な根拠やデータを盾に、お互いの主張を崩そうとしています。これでは、いつまでたっても結論は出ないとも言えます。

一般の人からすれば、科学的な根拠があると言えば、間違いのない主張のように思えますが、すべての科学者が科学的根拠に絶対的な信頼を置いているわけではありません。

科学的根拠というのは、ある現象から得られたデータをもとに、そのデータを取得した科学者が導き出した一つの答えでしかありません。

データは、現象の氷山の一角を表現したものであり、すべてを表現したものではありません。また、科学者自身が、得られたデータをどのように捉えるのかによっても解釈は大きく変わります。どの角度から物事を見るかによって、見え方は変わります。

科学的根拠も大切なことではありますが、人間のカラダがまだよくわかっていない以上、現在の知識レベルでは、結論を導き出すことはできないとも言えます。もっと、普遍的な考え方が必要になります。


答えは、自然の生活の中にある。


健康を考える上で最も重要なことは、「そもそも人間は動物である」と言うことです。

今現在、動物たちが日常的に行っている生活こそが健康にとってベストであるとも言えます。なぜなら、あらゆるカラダの機能は、自然の中での生活に合わせてベストな状態になるように適応・進化してきているからです。

つまり、健康に良いかどうかを人間が考えて導き出すまでもなく、ベストな答えは自然の生活の中にすでにあると考えることもできます。

逆に、ベストな答えとは異なる概念を、人間の勝手な判断で正しいものであるとしてしまうと、いつまでも健康になれないとも言えます。


自然の理から考えれば、本来は牛乳は必要ないもの?


牛乳を飲むとお腹を壊す人もいますが、これは乳糖を分解する酵素の活性が弱まることによるものと考えられています。

母乳を飲まなければならない赤ちゃんの時は、しっかり酵素が働くため問題は起きませんが、大人になると自然と酵素の活性が弱まるため、分解でなかった乳糖を薄めるために水分が出ることにより、お腹を壊す人が出てきます。

つまり、カラダの仕組みから考えれば、本来は大人になって乳を飲むことがないため、その環境に合わせて、不必要となる酵素の活性を退化させるという形で身体を進化させているとも言えます。


栄養があるから飲んだ方がいいのか?


牛乳には栄養が豊富だから飲んだ方がいいという考え方は、人間が調べたデータから導き出した一つの答えでしかありません。

実際の自然界では、動物が他の動物の乳を飲むことは無いとも言われています。もし、栄養を摂取でき健康にとっても良いのであれば、他の動物の乳を飲む動物の方が飲まない動物よりも、たくさん生き残っているはずではないでしょうか。

他の動物の乳を飲むことが健康にとって必要性が無い、もしくは何らかの問題があるから、飲むことを避け、その結果として大人になって乳をうまく分解できないカラダに進化したのかもしれません。


まとめ


結局、牛乳がカラダにとって良いのかどうかを結論づけることはできませんが、自然の理から考えれば必要のないものであるとも言えます。

また、戦後のような食糧不足の時代とは異なり、牛乳以外の食材からも十分に栄養を摂ることのできる時代でもあります。牛乳を毎日飲まなければ、栄養を確保できなかった時代ではありません。

無理に牛乳を飲む必要もなければ、逆に無理に避ける必要もないとも言えます。極端な食事制限にはストレスがかかります。アイスやヨーグルトやチーズなど、たまに食べることで美味しいと感じたり、食の幸福感もストレスの多い現代人には必要なことです。

食事は健康の重要な要素ではありますが、それだけで健康が維持されているのではありません。一番大切なのは、適度な運動をし、食を楽しみ、できるだけストレスの無い生活を心がけることではないでしょうか。


Column 0044 | 2019.07.29