葉酸は、赤ちゃんの正常な発育に必要な成分であり、妊娠中はサプリメントにより不足分を補うことが推奨されています。しかし、問題の本質を見失ってはいないでしょうか。
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葉酸不足が問題の本質なのか?
葉酸をたくさん摂取していた方が、生まれてくる赤ちゃんに障害が生じるリスクが下がるデータが出ていたり、晩婚化や出産の高齢化の影響もあり、葉酸サプリの売り上げは伸びています。
葉酸サプリを飲むことが元気な赤ちゃんが生まれる絶対条件・必要条件のようにもなっていますが、それは問題の本質なのでしょうか。
葉酸は、緑黄色野菜に多く含まれるだけでなく、のりなどの海藻類、肉、卵、魚、果物など、あらゆる食材に含まれている成分でもあります。
つまり、葉酸が不足している問題の本質とは、バランスのとれた食事をすることができていないということではないでしょうか。
妊婦の場合は、普段の食事から摂れる量では足りないからとも言われます。しかし、そもそも平均的な摂取量が少ないこと自体が、野菜を食べていなかったり、時間のない現代社会で外食も増え、食事内容が偏っている人が増えていることが原因ではないでしょうか。
サプリメントで補えばいいというのは危険な行為。
葉酸をサプリで補うことが大切なことであるという主張があふれ、問題の本質は見失われつつあります。
サプリで葉酸を補えば元気な赤ちゃんが生まれると誤解する人も少なくないのではないでしょうか。サプリを飲んでいるから、バランスの良い食事をしなくても元気な赤ちゃんが生まれるというわけでもありません。
葉酸不足により生じる問題は、適切な食事を摂れていない場合に赤ちゃんに起こりうる障害の一つの例に過ぎません。
葉酸をサプリで摂っている安心感から、普段の食事をおろそかにしたままであれば、逆に別の問題が生じるリスクは当然高くなります。
まとめ
妊娠中に葉酸は必要な成分ではありますが、その不足問題を手軽にサプリメントで解決しようとするのは、少し安易な考えであるのかもしれません。
問題の本質を間違って理解してしまうと、間違った結果が導かれるリスクも高くなります。
元気な赤ちゃんを産んでもらうために世間の人に初めに説かなければならないのは、加工食品(サプリも含む)に依存しすぎない、バランスのとれた食生活なのではないでしょうか。