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Column 033 | 2019.07.17

健康な食事の基準を満たしても健康にならない理由。

必要な食事の変化
必要な食事の変化

世の中には健康のために推奨されている数値がたくさん存在しています。基準値を満たすことも大切ですが、自然の理を満たすことも重要なことです。

目標値はたくさんある。


例えば、厚生労働省が推奨している数値には以下のようなものがあります。



・20~40歳代の1日あたりの平均脂肪エネルギー比率
目標値:25%以下
基準値:27.1%


・成人の1日あたりの平均食塩摂取量
目標値:10g未満
基準値:13.5g


・成人1日あたりの野菜の平均摂取量
目標値:350g以上
基準値:292g


・カルシウムに富む食品(牛乳・乳製品・豆類・緑黄色野菜)の成人1日あたりの平均摂取量
目標値:牛乳・乳製品130g、豆類100g、緑黄色野菜120g以上
基準値:牛乳・乳製品107g、豆類76g、緑黄色野菜98g以上


・その他、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、主要な栄養素に対して細かく基準値が設定されています。

※健康日本21(栄養・食生活)より。基準値は、平成9年度の国民栄養調査。


目標値を満たすのは非常に難しい。


例えば、野菜にしても、目標値の量を毎日食べるのは大変かつ、お金もかかります。

また、時間のない現代人にとって、バランスのとれた食事を作るための時間を割くことも、面倒かつ大変なことです。


難しいと、人はどうするのか?


楽な方へとシフトしていきます。代表的なのがマルチビタミンのようなサプリメントの使用です。

それほどコストもかけずに、一日に必要な栄養素を手軽に摂ることができるのであればと、サプリメントを利用する人も多いのではないでしょうか。


サプリメントで栄養を補給しても健康にはならない?


まるで足りない栄養素や、基準値を満たすことが健康になるために必要なことであるようになり、サプリメントを利用する人は増えました。

しかし、実際には病気は減るどころか、変わらず増え続けています。なぜでしょうか。

2つの理由が考えられます。



1:サプリメントにより基準を満たしているという安心感から、不摂生な食事内容は何も変わっていない。

2:実際の食材から得られる栄養と、錠剤に加工した栄養とは全く同じものではないということ。



健康の条件を満たしているつもりが、本当は何も満たせていないということなのかもしれません。

厚生労働省が意図していた、「バランスのとれた食事」とは、全く違う方向に社会は進んでいます。


本当に必要な食事とは何か?


過去のデータや、現状のデータから必要な食事内容を読み解き、健康になれるであろうと推測したものが現在の様々な推奨値です。

人間のカラダがすべてわかっていない以上、データの読み間違いも、そこから導き出した答えも間違っていることはよくあることです。

本当に健康になるために、最も重要視しなければならないことは、「人間は動物である」ということです。

自然の中で生きている動物は何を食べているのか。何千年何万年という長い年月をかけ、自然環境で手に入る食材に合わせて、動物はカラダを適応・進化させてきました。

つまり、動物のカラダにとって最もふさわしいものとは、自然な状態の食材であるということです。

加工された食品がカラダに入ることを想定して、カラダは進化してきたのではなく、あくまでも自然な状態の食材がカラダに入ることを前提条件としています。


まとめ


人間が健康になるために導き出した推奨値を守ることも一つの答えではありますが、もっと大きな視点に立てば、もともと動物である人間も自然の理(ことわり)を満たす必要性があるのかもしれません。

具体的には、自然から採れた状態のままの食材(生のもの)が最も体に良い物なのかもしれません。ただし、すべてを生で食べることはできません。ストレスがかからない程度に取り入れることが大切です。

人間は自然界の動物と全く同じような食生活を送ることはできません。しかし、全く同じにする必要は無く、今よりも病気になる人の少なかった時代(加工食品に過度に依存していなかった時代)にまで食生活を戻せばよいのではないでしょうか。


Column 033 | 2019.07.17