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Column 031 | 2019.07.15

糖尿病の本当の原因は、自然界とのズレにある。

膵臓とインシュリン
膵臓とインシュリン

糖尿病を治すために、血糖値をコントロールすることは大切なことですが、原因の本質を理解しておかないと、なかなか病気は治りません。

血糖値は、原因の末端。


血糖値が上昇することで糖尿病になります。その上昇の原因は、血糖値を調節するインシュリンの分泌不足や作用不足と言われています。

しかし、これは糖尿病という現象の氷山の一角を説明しているだけであるとも言えます。


カラダの作用には、すべて意味がある。


インシュリンは、血液中のブドウ糖を筋肉などに送り込む働きがあります。その働きによってカラダはエネルギーとしてブドウ糖を利用できています。

糖尿病の人の場合は、筋肉などの細胞がブドウ糖の流入を拒むことで、血液中のブドウ糖が消費されずに、高血糖状態が継続します。

結局、必要以上のブドウ糖が細胞に流入するのをカラダが拒否しているとも言えます。

当然、カラダがブドウ糖を拒否しているのは、カラダが困るから拒否しています。


結局は、食べ過ぎと運動不足が原因。


カラダがブドウ糖を拒んでいるということは、食事から必要以上にブドウ糖を摂取しているということです。カラダが必要とする量をはるかに超えているとも言えます。

また、日々の運動不足により筋肉量も少なくなっていることから、消費されるブドウ糖自体の量も少なくなっています。

そして、肥満などにより、ある程度の脂肪が蓄積している場合は、その脂肪もエネルギーとして利用すればよいため、さらに食事から摂取するエネルギーは少なくて済みます。

つまり、糖尿病の人は、カラダはそれほどエネルギーを必要としていないのに過剰な栄養を食事から摂取しているとも言えます(他人から見ればそれほど食べていなくても)。

だから、カラダは不要なエネルギーを拒んでいます。その結果として、様々な現象が生じています。


原因の本質は、自然界とのズレにある。


本来、自然の中で生活していれば、食料を得るために狩りをしたり、移動したり、敵から殺されないために逃げたりと、必ず運動をしなければなりません。また、必要以上に食べることもありません。

一方、現代社会では全く運動しなくても食事をすることもできます。慢性的なストレスの多い現代人の場合は、食事でストレスを発散し食べ過ぎてしまう事もあります。


まとめ


人間は、知性をもった特殊な生き物ですが、本質的には他の動物たちと同じ生き物です。

カラダのあらゆる機能は、自然の中で生活することを前提に進化してきています。逆に言えば、その前提条件が大きく崩れれば様々な健康問題が生じるリスクは高くなります。

糖尿病に限らず、現代人の抱える大きな疾病の多くは、自然界とのライフスタイルからズレ過ぎた結果として起きているとも言えます。それらの病気を治す根本的な解決策は、本来のライフスタイルに戻すことです。

なにも原始人のような生活まで戻す必要は無く、今よりも病気の少なかった少し昔の時代まで戻せば、もっと健康になれるのではないでしょうか。


Column 031 | 2019.07.15